私が、時折ひもとく書物の一つに「夜と霧」という本があります。
著者は、フランクルという心理学者です。
彼は、ただユダヤ人であったというそれだけの理由で強制収容所アウシュビィッツに送られ、奇跡的に生還した一人です。
その強制収容所における一心理学者の体験記が、「夜と霧」ですが、極限の絶望的な状況の中にあっても、生きる根拠を見出し、希望を持ち続けることが出来た人たちが生き残り、会報の日を迎えることが出来たことを記しています。
フランクルは、「人生に期待すべき何ものもない。」と絶望的になる人たちに対して、人生の意味についての問いをコペルニクス的に転換し、「人生が何を期待しているのか。」を問うことを促しています。
私たちは今日、将来に希望を持つことが困難な時代に生きていますが、希望を持つということは、結局私たちが生きている世界の根底にある善意を信じ、フランクルが言うように「人生が何を私に期待しているか。」を問いつつ日々の務めを果たしていけば、必ず良くなるとの確信のもと生きていくことではないでしょうか。
今年も希望をもって進んでいきましょう。