令和5年6月 定例県議会【一億人国家シナリオと県政について】

令和5年6月定例県議会

一億人国家シナリオと県政について

先般、結婚願望はあるけれど結婚に至っていない40代後半の男性A君の話を聞く機会がありました。彼が言うには、「30代の時は、結婚して養っていけるかなとの経済面での不安がありました。40代になって養っていけると思えるようになりましたが、女性との出会いの機会はあるもののなかなか結婚に至りません。」と語っていました。A君のような人たちが、20代・30台で結婚できる県に本県がなることを願い、「一億人国家シナリオと県政」ということで一般質問を行います。

2014年、当時の安倍政権は、「経済財政運営と改革の基本方針」所謂骨太の方針2014で、「50年後(2060年代)に1億人程度の人口を保持する」との国家目標を初めて打ち出しました。そして、令和元年の改訂版「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」において人口の長期的展望を示し、「2040年に出生率が人口置換水準(人口が増えも減りもしない出生率の水準)と同程度の値である2.07まで回復するならば、2060年に総人口1億人程度を確保し、その後2100年前後には人口が定常状態になることが見込まれる。」との一億人国家シナリオを提示しました。

ところが、2014年以降の出生率の推移を見ますと、2014年1.42であったのが2019年には1.36に減少し、昨年2022年は1.26と過去最低の2005年(平成17年)の水準にまで下落しまして、出生率の低下がここ7年連続しています。

先般6月13日に岸田政権が閣議決定した次元の異なる少子化対策と銘打った「こども未来戦略方針」は、先ずは近年の出生率低下の傾向を上昇に転じさせて一億人国家シナリオを実現可能性のあるストーリイにしていくための施策方針だと見ることもできます。

国立社会保障・人口問題研究所が公表した令和5年推計「日本の将来推計人口」によれば、我が国の人口は出生率中位(出生率1.23~1.36)の場合2060年は9600万人で2100年は6300万人、出生率高位(出生率1.37~1.64)の場合は2060年1億200万人で2100年7900万人、出生率低位(出生率1.11~1.13)の場合は2060年9100万人で2100年5100万人と推計されています。ここで注目すべきは、2060年における人口1億人の維持は、出生率が高位で推移すれば実現可能であるとの見通しが示されていることです。この推計における出生率の中位・高位・低位はデータに基づいて実現の可能性がある出生率の水準の幅を示したものと見做すこともできます。従って、出生率高位の推計も、決して希望的期待値ではなく実現可能性のある範囲内での見通しでありますので、一億人国家シナリオの実現は、先ず出生率を上昇に転じて高位推計での推移を確実にしていくことがその第一歩となると考えられます。2040年に出生率を人口置換水準の2.07まで回復するとのこれまでの一億人国家シナリオは、実現の可能性が疑問視される高いハードルでしたが、出生率高位推移による一億人国家シナリオは、十分達成可能な見通しを持ち得るシナリオです。

「こども未来戦略方針」は、「少子化は、我が国が直面する、最大の危機である。」との認識を示し、2030年までが日本が少子化・人口減少に歯止めをかけることが出来るかどうかのラストチャンスであり、それまでに少子化トレンドを反転させるために我が国の持てる力を総動員し、不退転の決意で取り組まなければならないと訴えています。こうした国の総力戦としての少子化・人口減少対策は、国と地方が課題を共有し、国と地方が一体となり、双方向で意見を戦わし、議論を深め、各々が役割を果たしながら課題解決を図っていくことが求められます。

そうした考えから、この度は少子化・人口減少対策の国家目標である「一億人国家シナリオ」の実現に向けて、県が国に対して言うべきこと、求めるべきこと、また県自身が取り組むべきこと等につきまして質問を行います。

1. 20代・30代の若い世代の所得向上について

(部長答弁)

2. 普遍性のある育児休業制度について

(部長答弁)

再質問

3. 地方創生について

(知事答弁)

4. 不妊治療について

(部長答弁)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年7月20日