令和4年6月定例県議会 (3)「大学リーグやまぐち」と研究支援について

1.県政と大学の連携について

(3)「大学リーグやまぐち」と研究支援について

次に、「大学リーグやまぐち」と研究支援についてであります。
中央教育審議会大学分科会は、令和3年12月に「これからの時代の地域における大学の在り方について」審議のまとめを公表しました。「地方の活性化と地域の中核となる大学の実現」をサブタイトルとするこのまとめは、「大学が地域の中核的な拠点となっていくに当たっては、地域のために大学が貢献するとともに、地域も大学と一緒になって取組を進めていく、そのような大学と地域の関係の構築が重要である。」と指摘し、「地域の大学やその他の高等教育機関のみならず、地方公共団体、産業界、金融機関等の様々な関係機関が一体となった恒常的な議論の場として地域連携プラットフォームを構築・活用していくことが求められている。」と、述べています。
本県におけるその地域連携プラットフォームに相当するのが「大学リーグやまぐち」でして、平成28年10月に設立されています。設立当初は、県内大学・短期大学を中心とした体制でしたが、令和2年8月に組織の拡充が行われ、県内全ての大学・短期大学17校に加えて高等専門学校全3校、経営者協会等の県内経済5団体、やまぐち産業振興財団などの3支援機関、私学3団体、山口労働局や山口県、市長会等の5行政機関が会員となり、「大学リーグやまぐち」は、36機関・団体を構成メンバーとする地域連携プラットフォームとして体制を整え機能強化が図られました。
このように陣容を整えた「大学リーグやまぐち」が、会の設立以来取り組んできた主要課題は、若者の地元定着であります。この会には、実行組織として「県内進学・魅力向上」部会、「県内就職」部会、「地域貢献」部会の3部会が設けられていますが、若者の地元定着を共通の目標として役割を分担したものと考えられます。「県内進学・魅力向上」部会は、本県高校生の県内大学への進学を促進しようとする部会です。「県内就職」部会は、本県の大学で学ぶ若者が、県内企業への就職に向くよう課題に取り組む部会です。「地域貢献」部会は、県内企業が必要とする人材育成の教育プログラムの実施等、地域・企業の課題解決のため、大学シーズと地域・企業ニーズのマッチング等に取り組んでいます。
私は、そうした若者地元定着への取組と併せ、本県の地域課題解決に向けた研究への支援を、この「大学リーグやまぐち」の事業の柱の一つにすることを提案します。どういう仕組みにするかは、それこそ大学リーグに専門部会を設けて検討すればいいと思いますが、参考になるのは我が国の科研費と呼ばれている科学研究費助成事業です。
科研費は、全国の大学や研究機関で行われている様々な研究活動に対して必要な資金を研究者に助成する仕組みの一つです。科研費制度では、研究者から応募された研究計画に対してピアレビューといって、それぞれの分野に精通した審査員による厳正な審査を経て採択が決定され、研究費が助成されることになります。この科研費に対しては、令和元年度以降毎年2370億円余の予算措置がなされていまして、令和2年度は、約10万4千件の応募があり、約2万9千件が採択されています。こうした採択状況をどう評価するかは見解が分かれるところでしょうが、大学が、直接学内研究者に配分することができる研究費が大幅に減少している昨今、この科研費が、我が国の科学研究を支える上で大きな役割を果たしていることは確かです。
そこでお尋ねです。本県の地域課題の解決に向けた研究支援を、「大学リーグやまぐち」の主要事業の一つに位置付け、取組を推進すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

(部長答弁)