3. 水素先進県づくりの方向での上関原発建設計画の変更について
その3は、水素先進県づくりの方向での上関原発建設計画の変更についてであります。ここで言う水素先進県づくりの方向ということで具体的にイメージしていることは、発電の面でも水素の利活用が、実際上は水素のキャリアであるアンモニアの利活用が図られ、火力発電においてアンモニアの混焼が進み、さらに専焼に向かいカーボンフリーが実現していくというものです。
そうした方向での上関原発建設計画の変更が、どういうものになるかは明らかで、既に申し上げていることでありますが、将来的にアンモニアの混焼・専焼を視野に入れたCO2回収型の即ちカーボンフリーの石炭ガス化複合発電(IGCC)若しくは石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)への計画変更であります。この方向での計画変更は、先に述べましたが、今日、中電の経営戦略においても妥当性を持つものと見ております。
ついては、只今申し上げました方向での上関原発建設計画の変更を、山口県は中国電力に勧告すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
質問は、以上ですが、以下補足的に申し上げておきます。既に実用化されている石炭ガス化複合発電(IGCC)のひとつに、福島復興電源として福島県の勿来・広野地点に設置され2021年から営業運転を開始した勿来IGCC発電所があります。この発電所の概要を紹介した資料によりますと、福島復興への寄与ということで、雇用の面では建設時は、2地点合計2000人。その後恒久的雇用(発電所運転・運営、燃料輸送等)と定期検査時での作業者雇用を見込むとあります。また、経済的波及効果は、環境影響評価着手から運用を含めた数十年間で、福島県内に1基当たり総額800億円の経済波及効果があると試算されています。こうしたことから、IGCC若しくはIGFC発電所の設置は、上関町にとって原発に代わる地域振興策になり得るのではないかと思う次第です。
尚、岸田首相が今月1日、COP28の首脳級会合で演説し、石炭火力新設の終了を表明しましたが、それは温室効果ガスの排出削減対策が採られていない石炭火力発電所のことでありまして、IGCCやIGFCの発電所は、その対象にはならないことを申し添えます。
→(理事答弁)