令和6年11月定例県議会 明るい高齢社会に向けて(3)

 3. 高齢者福祉特区への取組

「デイサービスの帰りに、買い物もできるようになるといい。」「3階、4階などにお住いのデイサービス利用者を迎えに行ったとき、ゴミも受け取ってあげることができるようになると助かる人が多い。」など、介護の現場で「こういうことができるといいのに。」と思うことがありながら、介護保険制度やそれに関連する制度上のルールが縦割りで、できないことがいろいろあることを、ある介護サービスの複合施設の施設長から聞きました。そして、そうしたことを可能にするために、「山口県も、富山県のように特区の指定を受けて、高齢者福祉の全国モデルとなるような取り組みをするといいのに。」と、その施設長は語っておられました。

その富山県が、指定を受けた特区とは、平成23年に県全域を対象とする「とやま地域共生型福祉推進特区」のことと思われます。富山県は、この特区の指定を受け、新たな規制の特例措置について国との協議を経て、いくつかの特例措置等が認められました。その一つの事例を紹介いたしますと、認知症高齢者グループホームと障害者グループホームの設備の基準は、それぞれ介護保険法と障害者総合支援法で定められているため、両グループを併設する場合、例えば、1階は認知症高齢者グループホームとし、2階を障害者グループホームとして、それぞれに必要な設備を設けるなど、両グループホームを区分して併設する必要がありました。それが、国との協議により、市町村の条例で居室以外の設備(玄関、お風呂、台所等)を共用することができるよう規定することにより、事業者の判断で設備を共用するグループホームを整備することができるようになりました。これにより、例えば、障害のある子を持つ親が認知症になったとしても同じグループホームで生活できるようになるほか、共用設備の整備費用が軽減されることになりました。

こうした規制の特例措置を認めさせ、福祉の望ましい在り方を実現した富山県の特区指定は、平成31年に特区からの申請により指定解除となっています。そこで、その理由を富山県の担当課に聞いたところ、その特区によって実現した在り方が、国の施策に取り入れられ全国展開されることになったので、特区である必要がなくなったためとの説明でした。

私は、山口県も高齢者福祉の現場の人たちをはじめ関連する関係者も含めたプロジェクトチームを立ち上げ、望ましい高齢者福祉の在り方を追求し、その実現に向けて「高齢者福祉特区」の指定に取り組むことを期待します。

本県は、平成23年に光市、柳井市、田布施町と共に特区計画の作成に取り組み、「次世代型農業生産構造確立特区」ということで総合特区の指定を受け、この地域の農業生産の抜本的な改革に取り組みました。この特区は、計画の目標を達成したということで、その計画期間の期限である平成31年にその指定は申請に基づき解除されていますが、私は、農業分野における全国モデルの確立を目指し、この特区の事業に取り組まれた関係者に拍手を送るものです。そして、こういう取り組みが県政のあらゆる分野で、ことに本県は高齢化が全国に先行して進んでいることから、高齢者福祉の分野で行われることを期待する次第です。

そこでお尋ねです。高齢者福祉の介護・看護等の現場の声に応える望ましい高齢者福祉の在り方の実現に向けて、高齢者福祉の特区の指定に取り組むべきと考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。

 

→(答弁