令和3年2月定例県議会【1.(3)観光宿泊・飲食業等への支援について】

1.コロナ対応と県政運営について

(3)観光宿泊・飲食業等への支援について

昨年の夏から秋にかけて観光宿泊・飲食業の需要は、回復基調にありました。それが、季節が冬となり収まったかに見えていた新型コロナウイルスの感染拡大が、東京都をはじめとする大都市から全国に波及する様相を呈してきたことから、これを防止するため、先ず昨年末の12月28日にGotoトラベルが全国一斉に停止となりました。次いで、年明けて1月7日に1都3県に、さらに1月13日には加えて2府5県に緊急事態宣言が発出されました。こうしたGotoトラベルの停止と緊急事態宣言により、再び観光宿泊・飲食業の需要は一気に激減し、関係事業者は、今日極めて厳しい経営環境の中にあります。私は、そうした観光宿泊・飲食業の実情を知るべく関係者を訪ねて、率直な声を聴くことを心がけてまいりました。以下、その中のいくつかをご参考までに紹介いたします。

先ず、宿泊状況についてあるホテルの述懐です。昨年の9月から12月の間はよかった。年末から正月にかけては予約で満室だったが、Gotoトラベルの停止でキャンセルが相次ぎ3割ほどまでに減った。それでも、県のプレミアム宿泊券が利用できた1月15日までは、ある程度のお客があったが、それ以降は客が日に10人から20人程という状況になり、土曜日以外は休業することにした。

次に、公的支援についての声です。あるホテルの経営者は、次のように強く訴えられました。何よりも、需要喚起策を、お願いしたい。昨年のプレミアム宿泊券は、大きな効果があった。令和3年度もできれば、昨年と同規模でお願いしたい。またGWやお盆などは、自然体で予約が入ってくるので、それ以外の期間に利用できるようにして、旅行需要の分散化を図ってほしい。

プレミアム宿泊券については、広く多くの人が利用できるように、また利用が特定のクラスの宿泊施設に偏らないようにということで、一人の取得枚数や1回の宿泊での利用枚数などに制限を設けるべきではないかとの声を、複数のホテル関係者から聞いています。

融資や補助については、次のような声が多く聞かれました。コロナ感染症対応資金ということで無利子・無担保・保証料低減・据え置き期間5年等の極めて有利な条件での融資を受けられることは誠に有り難いが、借りたものは返さなければならない。そのことを思うと融資を受けるべきかどうか悩む。

観光方面の土産品のウェイトが大きい特産品関連の事業者からは、withコロナ,after-コロナの時代に対応するためWeb面の強化を図る設備投資をしたいが、そうしたデジタル化への取り組みは初期投資にお金がかかる。コロナ収束の見通しがハッキリせず将来への不安がある中、どうしても手持ち資金を確保しておきたいということで、そうした設備投資に踏み切れない。できれば、こうしたコロナ対応の設備投資には、補助をお願いしたい。また、その補助採択に関しては、基準を明確にし、手続きは透明性があって公平な扱いが担保される仕組みにしてほしい。そういった声が、ありました。

飲食業の関係者からは、国の緊急事態宣言の解除、本県では感染状況がステージⅢではなくなったことの表明を待ち望む声、また給付金などの支援補助は、売り上げや店の規模に応じて行う工夫をしてほしい旨の声などが聞かれました。

私たちは、こうした声を真摯に受け止め対応していかなければならないと考えます。それと、私が訪ねた事業者に経営状況を聞いて感じたことは、雇用調整助成金が果たしている役割の大きさです。休業しても従業員を解雇しなければ、日数換算の平均賃金を1日当たり15000円を上限に10分の10休業手当として助成することにした雇用調整助成金の特例措置は、従前に比べて申請手続きも格段に簡易となり、この特例措置のおかげで観光宿泊・飲食業関係でも事業継続と雇用確保が何とか図られているところは多いと思われます。また、それらの事業者は、この特例措置が今年の6月まで延長されることに胸をなでおろし、後は、どうやり繰り算段してコロナ危機を乗り切るかを必死に考えています。

そこで、お尋ねです。私は、こうした観光宿泊・飲食業関係への支援策は大きく三つあると考えています。その一は、大胆な需要喚起による支援です。その二は、行き届いた融資による支援です。その三は、withコロナ、afterコロナの時代に向けた設備投資への積極的且つ幅広い補助による支援です。ついては、こうした支援に県は、今後どう取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いいたします。

ア.大胆な需要喚起による支援について→(部長答弁)

イ.金融支援について→(部長答弁)

ウ.設備投資への支援について→(部長答弁)