野田首相が誕生いたしました。私は、彼が言う「ドジョウの政治」、泥臭い政治というのはいいなと感じております。金魚の見ばえのいい政治じゃなくて、川底の底辺のどろどろした泥臭いところに身を置いて政治を進めていくという、「ドジョウの政治」という考え方はいいなと思いますね。
我々県議の役割あるいは県政に携わる執行部の役割も、やはりひとつ大事なことは、国の政策を地方の現場にあって検証して、そして現場から国の政策をよりよくしていく、いわゆる泥臭い政治というのは、現場に身を置いて現場にあるさまざまなどろどろした困難を一つずつ丁寧に解決しながら進めていく政治というふうに私は受けとめているところであります。
知事の場合は、住み良さ日本一の県づくりということでありまして、これも見ばえのいい住み良さ日本一ではなくて、本当に生活に苦労している人たちの現場に身を置いて一つ一つの課題を解決していく、そういうことで住み良さ日本一を実現していく、そういう県政であってほしいと思うわけであります。
そういう中で、いわゆる施設に入られる高齢者の方々というのは、本人はもちろんでありますが、本人の家族の方々も今は立場が弱いのであります。だからこそ、そういう介護施設の場合は、介護の質が保たれるようにきちっと政治が、行政が必要な取り組みをしていくということが重要であります。
私が、このたび特に老健施設でそのことが必要ではないのかということを申し上げましたのは、ある高齢者の方が老健施設に入所されて、栄養失調状態になってしまって、そしてまた、全身がむくんで肺に水がたまるような状況になってしまったと。その様子を家族の人が見て、これは大変だということでそこの施設の診断を受けるように、医者の診断を受けるように強くお願いして診てもらったところ、いわゆる栄養失調状態、肺に水がたまっているということがわかって、総合病院のほうに入院されたということであります。
やっぱり一人一人にちゃんと目が行き届いている施設もあれば、そうでない施設もあるわけでありまして、先ほど部長の答弁では、何か問題がある施設があった場合は、何か対処するみたいなことでありましたけれども、そういうことではなくて、そういうことにならないようにしていく取り組みが、平均的に標準的な水準のサービスが提供される施設にしていく、そういう取り組みは非常に、施設を整備することとあわせて重要だと思うわけであります。
介護サービス情報の公表制度につきまして、今、知事が必要と認めるときに調査するに変わるということでありましたが、じゃあガイドラインについて、衆議院の厚生労働委員会での質問に対して、老健局長が答えている部分があります。それを見ますと、最初の事業所の指定のとき、あるいは事業所としての指定を更新するときに調査に入ったりするようなことを検討したらどうかと考えているという答弁をしているんですね。
その指定の更新というのは何年に一遍行われるかというと、六年に一遍なんですね。だからそれだと毎年これまで行われておったものが、それなりの役割を果たしておったものが、六年に一遍の調査になってしまう、そんなガイドラインを示すのかと。まさしく現場を、実態を知らない官僚が制度をつくっているみたいなことが感じられまして、本当に見ばえのいいことばっかりやろうとしているのかと、何かちょっと怒りを覚える感じでありますね。
私としては、二井知事にぜひそういう施設に入っておられる方々の、あるいは施設に家族を預けている方々の思いのところに思いをいたして、そして、そういう方々にこたえる介護施設のサービスを確保していくためにはどうしたらいいのかということで、まずは介護サービスの情報の公表制度に係る県の調査の判断基準、それは策定してほしいと思うんですね、まずは。
それから、指導監査も四年から五年に一遍ということではなくて、少なくとも二年に一回は行われるというようなことを前向きに考えるべきだと思うわけであります。住み良さ日本一の県政総仕上げに向けて今取り組んでおられる二井知事に対しまして、このことについてお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
◎健康福祉部長(渡邉修二君)
二点のお尋ねだと思います。
一点は、国のガイドラインに基づいて、サービスの確保・向上になるようなガイドラインにぜひしてほしいということでございます、判断基準にしてほしいということでありますけれど、私を含めて恐らくここにいらっしゃる方は、介護保険サービスをいずれは何らかの形で受けられることになろうかと思いますので、その観点で、ガイドラインが出てきました時点で鋭意検討をさせていただきたいと思います。
それと、これまで国のほうに介護情報サービスの公表について要望した結果、御指摘のありましたように、今回の介護保険法の改正の中で、都道府県知事が認めるときには調査ができるということになってきております。
これは、基本的には介護サービス情報については全国的な共通の問題でございますので、その制度設計を担当しております国の責任において検討されることが必要と考えております。それで、この八月十日付で、中国・四国九県民生主管部長会議におきまして、この介護保険情報公表制度についても要望をいたしておりまして、制度設計を行う国の責任において、情報の正確性を担保できるような財源措置を含めて具体的な対策を講じるように要望したところでございます。
引き続き、必要に基づきまして、国に対して適切に対応させていただきたいと思っております。