【質問】(4) 医師不足対策について
平成27年度から、山大医学部附属病院での臨床研修を予定している医学生が一桁の9人になったことが、本県の医学関係者の間では衝撃をもって受け止められています。以前は、60名から70名ほどが山口大学で研修を受けていたそうで、現在既に医師不足の対応に苦慮しているのに、将来一層深刻になることが予想されます。
今日、特に地方での医師不足が顕著になった背景には、2004年から導入された新しい臨床研修制度があると言われています。それまで医学生の研修は、基本的にそれぞれの大学医学部系列病院で行なわれていたものが、新しい制度のもとでは研修先を自由に選べるようになり、優れた研修環境にあると思われる大きな都市部の病院に集中するようになったからです。その傾向は、本県でも同様で、一旦研修医として県外に出るとなかなか県内に帰って来ないため、医師不足に歯止めがかからない状況が続いています。
県としても、知事指定の医療機関に医師として一定期間勤務すれば返済が免除される、医学生や研修医に対する修学・研修資金の貸付制度を設けるなど、医師不足の解消に向けた施策を様々講じていますが、医師不足の深刻さを思えば、もっと踏み込んだ強力な取組みが必要ではないかと思われます。
2004年に改正された臨床研修制度では、医学生は医師免許取得後、2年間の臨床研修が義務付けされましたが、全国の大学病院や一般病院等の臨床研修指定病院の中から自由に選択して、研修を受けることが出来るようになりました。従いまして、県内に医学生が医師免許取得後、研修医として残りたいと思うような、また県外から研修医が来たいと思うような魅力ある医療環境がある県にしていくことが、現行の臨床研修制度のもとにおいては有効な医師不足解消の抜本対策になるのではないでしょうか。
そこでお尋ねです。若い医療人が魅力を感じる世界水準の最先端の医療技術が学べる医療環境が整った県にしていくことが、医師不足解消に向けた有効な抜本的対策になると考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。
【回答】◎健康福祉部長(小松一彦君)
次に、医師不足対策についてです。
若手医師の県内での就業・定着を図っていくためには、県内の臨床研修環境を整備充実していくことが重要です。
このため、県医師臨床研修推進センターを設置し、指導医の資質の向上等を図るとともに、地域医療再生基金を活用して手術ロボットを山口大学附属病院に導入するなど、最先端の治療・診断機器の整備充実を進めてまいりました。
こうした取り組みにより、臨床研修制度導入後、落ち込んでいた県内研修医数は、導入当時の水準に回復するなど一定の成果を上げてきましたが、お示しのとおり研修医数が再び減少傾向にあることから、臨床研修推進センターでその要因を分析したところ、指導体制や研修プログラムの改善の必要性が明らかになりました。
このため、県としては、国内外から著名な指導医を臨床研修病院に招聘するなど、指導医の資質向上を図るとともに、研修医のニーズに対応したオーダーメードの研修プログラムづくりを進め、医学生が魅力を感じるような研修環境のより一層の充実に努めてまいります。
県としては、こうした取り組みを通じて、県内外から多くの研修医を確保し、若手医師の県内定着に努めてまいります。