平成28年9月定例県議会【上関原発について】

次に、上関原発の建設計画の見通しについてお伺いいたします
上関原発の建設については、国も中国電力も上関町も、本音のところでは困難と思っていると、私は見ております。しかし、三者ともそのことを表だって表明することは避けているため、三者、三すくみの状態で、上関原発問題は、膠着状態が続いています。
私は、その膠着状態を打開する役割を果たせるのは、県なのではないかと思っていまして、村岡知事の政治的リーダーシップにより、上関原発の建設問題が、解決の着地点に至ることを期待しています。
上関原発の建設が困難と思われるのは、「原発依存度は、可能な限り低減させる。」との国のエネルギー政策の方向は、国民的コンセンサスになっており、これが変わることはないと思われるからです。この方向の延長線上に、原発拡大路線時の計画の実現となる上関原発の建設は、あり得ません。
福島原発事故の前年である平成22年、当時は民主党政権でありましたが政府は、14基以上の原子力発電所を新増設して2030年までに総発電量の53%を原子力発電にするとの内容のエネルギー基本計画を策定しました。上関原発は、その計画に位置付けられています。その上関原発の1号機、2号機が稼働するようになると中国電力における原子力の電源設備構成比率は三割となり、それは、福島原発事故以前の我が国における原子力の電源構成割合とほぼ等しいものになります。こうしたことから、我が国のエネルギー政策が、再び福島原発事故以前の原発拡大路線に戻らない限り、上関原発が、国のエネルギー政策に位置づけられることは困難であり、建設はあり得ないと思う次第です。
そこで、お尋ねいたします。私は、「原発依存度は、可能な限り低減させる。」との国のエネルギー政策の方向に、上関原発の建設はあり得ないと見ておりますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。

2016年11月28日