次に、行財政構造改革の推進についてお伺いいたします。この改革の取り組みは、本県の財政が、恒常的に歳出が歳入水準を上回る硬直化した構造になっているとの認識に立ち、その構造を改めて財源不足を生じない安定した財政基盤の確立を図ろうとするものであると考えられます。
その歳出構造の改革は、総人件費の縮減、公共投資等の適正化、公債費の平準化、全事業の徹底した見直し、公の施設の見直しの5つの柱から成り立っていますが、そのうち総人件費の縮減、公共投資等の適正化、全事業の徹底した見直しに関して思うところを述べ、所見を伺いたいと思います。
先ず、総人件費の縮減についてであります。この取り組みは、一般行政、教育、警察含めて600人以上の定員削減が、その内容であります。平成28年4月1日現在の、県職員数は、18995人です。総務省が地方公共団体の職員数の‟あるべき水準”を検討するための参考指標として作成した定員回帰指標を用いて本県の職員数を算定いたしますと18615人となりまして、本県の職員数は、それを380人上回っています。
従って、総務省が示した算定方式による職員数が、適正水準であるとすれば、定員削減の方向は妥当としても、600人以上の定員削減は、適正水準の職員数から更に220人以上削減することになり、県政の円滑な執行に支障が生じないか気になるところであります。
そこで、お尋ねいたします。総人件費の縮減に向けて職員定員を600人以上削減するとの方針は、県政の円滑な執行という観点からの考慮は充分なされたものであるのか、そうであるとすれば検討段階において、どのような議論、算定を経て導き出されたものであるのか、お伺いいたします。
ことに気になるのは、定員削減が一律に行われて、人手を必要とするところの業務の遂行に、支障や遅れを生じたりしないかということであります。例えば、農業関係では、ほ場整備の事業を加速化していくことが、本県農業を守っていく上において重要と思われますが、こうした事業は、地元関係者の様々な権利関係を調整しながら計画を策定し整備を進めていくものであることから、その事業量に応じた人員の確保が不可欠であります。ついては、定員削減の実施に当たっては、そのような人員の確保を必要とする各種県事業の執行に、支障や遅れが生ずることがないようにしていくことが求められると考えますが、このことにつき、併せご所見をお伺いいたします。