平成29年6月定例県議会【4.未利用ダムの活用】

次に、未利用ダムの活用ということで、水力発電に利用されていないダムでの発電の実施についてお伺いいたします。

本県には、建設中の平瀬ダム等を含め土木建築部が所管するダムが24ダム、企業局が所管するダムが4ダムと、他県に比べ豊富なダム群を擁しておりますが、現在、水力発電の施設のないダムは半数近くに上っております。

ところで、平成29年2月に公表された資源エネルギー庁の「水力発電の開発・導入のための調査報告書」によりますと、本県の土木建築部が所管する発電未利用ダム12について、その発電ポテンシャルは最大出力で合計836kWと報告されております。

さらに出力100kW以上の地点が全国で32箇所あり、そのうち4つが本県内にあると報告されております。具体的には、柳井市の黒杭川上流ダム、周南市の川上ダム、岩国市の中山川ダム、山口市の荒谷ダムの4箇所であります。

荒谷ダムや県庁のすぐ裏にあります五十鈴川ダムは、実地に見に行きましたが常に一定量の水量と落差がありますので、発電可能ではないかと思います。

企業局では、昨年4月に運転を開始した宇部丸山発電所以降、現在、平瀬発電所の建設を進めておられますが、それ以外、新たな発電所の建設は表明されておりません。

先月示された国土審議会の答申において、今後の水資源政策のあり方として、これまでの需要主導型の「水源開発の促進」からリスク管理型の「水の安定供給」へ進化を図るべきとされ、また現在、国土交通省が策定に向けて検討を進めている「ダム再生ビジョン(案)」では、「ダム再生の発展・加速に向けた方策」として「水力発電の積極的導入」が謳われるなど、水力発電の新たな開発に向けた期待が高まりつつあります。

ただ水力発電のために新たなダムをつくることは、有望地点のダム化は、ほぼやり尽くされている今日、事実上困難と思われることから、現実的な取組みとして考えられるのが、既存ダムで水力発電をやっていない未利用ダムの活用であります。

そこでお尋ねです。本県は、水力発電を行っていない未利用ダムを多数擁しておりますが、こうしたダムにおいても発電への取組みが図られるべきと考えます。つきましては、このことにつきご所見をお伺いいたします。