次に質問の第2、創造性を育む教育の推進についてお伺いいたします。私は、創造性を育む教育の推進は、我が国が将来にわたって繫栄し続けていくために極めて大事で必要なことであると思っています。
今日、我が国は、政府の借金が千兆円を超える巨額なものであることを憂慮する声がありますが、我が国が、世界の人々が必要とするものをつくり、提供する能力においてナンバーワンである、若しくは優れている限りにおいて、その心配はいらないと思っています。企業の借金も、それを上回る利益の確保が将来見通せる場合は、何ら問題になりません。同様に、借金を上回る稼ぐ力を、我が国が将来にわたって持ち続けることができるのであれば、巨額の借金も何等心配する必要はないのであります。従って、モノづくりにおいて優れた国であり続けること、そのために、それを担う豊かな創造性を持った人材を育成していくことが重要と思う次第であります。
そういう思いから、本県の学校教育も、創造性豊かな子どもたちを育てるものであることを願い、創造性を育む教育の推進についてお伺いいたします。
先ずは、本県高校生の優れた創造性豊かな活躍を紹介したいと思います。質問の参考資料としてお配りしているのは、山口高校が、第61回日本学生科学賞の中央審査で全日本科学教育振興委員会賞に輝き、その研究班の生徒3人が、さらに今年の5月に米国・ペンシルベニア州で開催される国際学生科学技術フェア(ISEF)に参加することになったことを報じた新聞記事です。日本学生科学賞は、昭和32年以来、毎年行われてきている中学生と高校生を対象にした科学コンクールで、日本で最も伝統と権威のある科学賞として知られております。
こうした賞を、本県高校の生徒たちの研究作品が受賞したということは、科学の分野において子どもたちの創造性を伸ばす教育の土壌が、本県においては培われてきていることの成果であると考えます。ついては、その土壌をさらに豊かなものにしていくことが、創造性を育む教育の推進につながると考え、日本学生科学賞を受賞した山口高校の取り組み事例も踏まえて、2点お伺いいたします。
その1は、本県の学校教育における創造性を育む教育推進の基本的取り組みについて、ご所見をお伺いいたします。
その2は、課題研究授業の研究活動費についてであります。
山口高校が、日本学生科学賞を受賞した研究テーマは、イルカが水中でつくるバブルリングについてでありますが、この研究活動は、同校理数科2学年の課題研究の授業として取り組まれたものです。課題研究の授業は、理数科のクラスが5人前後のグループに分かれて、グループごとにテーマを設定して1年間の研究活動に取り組むものであります。1グループの年間の研究活動費は、同校の場合は15000円とのことですが、イルカのバブルリングの研究活動では、水槽の費用だけでも27000円かかったそうで、そうしたことを含め必要な研究活動のための費用の捻出に苦慮したとのことでした。
そこでお尋ねです。こうした課題研究の授業の研究活動費が、必要に応じて適宜確保できるようにしていくことが、創造性を育む教育を一層推進していくために望まれますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。