平成31年2月定例県議会【2.病児保育】

「働き方改革と子育て支援」

2. 病児保育

次に、病児保育についてお伺いいたします。子育てと仕事の両立ということで喫緊の課題は、病児保育の拡充であります。3歳未満児のお子さんを保育施設に預けて働いている母親たちが、最も苦慮するのは、子どもが38度以上の発熱がある場合は、直ちに引き取りにいかなければならないことです。職場において担っている仕事の責任上、すぐに職場を離れることはできない。一方、一刻でも早く子供を引き取りにいかなければ、保育施設に迷惑をかけるし、子どもの病状も心配で、その対応も急がねばならない、ということで板挟みになり苦慮する子育て中のお母さま方が、今日結構多いのではないでしょうか。そして、今後、働き方改革の進行に伴い、子育てしながら働くお母さまたちの割合は、一層増加していくことが予想されます。従って、唯今紹介したようなケースで本当に困られる母親たちが、益々増えていくものと思われ、このことへ対応する施策の実施が急がれます。

そこで、病児保育についてお尋ねいたします。

先ず、病児保育施設の拡充についての県の取組方針についてであります。平成31年度県予算においては、病児保育推進事業に、1億7千万円余の予算措置がなされており、病児保育実施個所が、現在、県下12市町32か所であるのを、次年度は、13市町35か所まで増やすとされております。また、病児保育は市町の事業であるため、居住地以外の市町での利用が制限されていたり、利用料に格差が生じていた問題点を解消して、次年度からは、居住地にかかわらず、県内の希望する場所で病児保育施設が利用できる広域利用が可能になる見通しです。更に、利用者の利便性の向上や、子育てと就労等を両立できる環境づくりに向けて、病児保育サービスのICT化の実証事業が予算措置されています。

このように、本県が病児保育施設の拡充に取り組んでいることは認め、そのことを評価するものですが、現状は、まだまだ絶対量が少なく、今後大幅に拡充していく必要があると思う次第です。ついては、病児保育施設の今後の拡充に向けた取組み方針について、ご所見をお伺いいたします。

次に、保育所における体調不良児の対応についてであります。病児保育施設には、病児対応型、病後児対応型、体調不良児対応型の3通りがありますが、この中で、体調不良児対応型の保育施設については、各保育園に完備するようになるといいとの声が、病児保育に携わっている現場の方々の声としてあります。体調不良児対応型の対象児童は、主に保育中に発熱するなど体調不良になった児童であって、保護者が迎えに来るまでの間、緊急的な対応を必要とする児童であります。

私は、先に、働き方改革の進行に伴い、地域子育て支援拠点施設は、子育て中のお母さま方の就労へのニーズや悩みにも対応する拠点へと進化する必要がある旨、申しあげましたが、保育施設においては、病児保育施設を全体的に増やしていく方向の中で、ことに体調不良児への対応は、全ての保育施設でできるようにしていくことが、今日の時代的要請であり、保育現場の声に応えることになるのではないでしょうか。

ただ、問題なのは、体調不良時対応型保育施設に関して国が設けている実施要件が、看護師等を常時1名以上配置することとハードルが高いことです。この要件を全ての保育施設が満たすようにしていくことは、実際上不可能と思われます。そこで考えられるのは、病児保育専門の保育士を研修等を通して育成し、各保育施設が体調不良児に対応できるようにしていくという方向です。体調不良児を隔離保護する場所の整備と病児保育専門の保育士の配置ということであれば、各保育施設において実現可能ではないでしょうか。

そこでお尋ねです。体調不良児への対応は、各保育施設が行うことが出来るようにしていく方向で、施策の推進を図っていくべきであると考えますが、このことにつき、ご所見をお伺いいたします。