要望 2.(ア)上関原発建設計画に関する事情の変化 3.水素先進県づくりの方向

2.上関原発建設計画に関する事情の変化について要望】

(ア)事情の変化はないとの認識について

3.水素先進県づくりの方向での上関原発建設計画の変更について要望】

 

上関原発のことに関しまして、担当理事のほうから、上関原発に巡ることでの事情の変化はないという答弁があったところであります。

事情の変化があるかどうかの議論は水掛け論になりますので、それは避けますが、一つの行政のあり方、あるいは行政で取り組む職員の意識のあり方に関わることとして、参考までに申し上げたいと思います。

それはいわゆる思考の欠如、思考の停止ということが、真摯に現実に向き合って考えていくという姿勢が欠如しているんじゃないかという、そういうことの問題点であります。

20世紀を代表する政治学者の一人に、ハンナ・アーレントという女史がおられます。彼女はいわゆるユダヤ人の虐殺、いわゆる収容所のほうにユダヤ人を送る役割を果たしたアイヒマンが、戦後亡命しておったのが逮捕されて裁判にかけられたのを取材して、そして『エルサレムのアイヒマン』という書を出しました。そこにおいて彼女が示したのは、いわゆる何百万人ものユダヤ人を虐殺したその張本人のアイヒマンは悪逆無動の悪人であったということではなくて、平凡な一凡人で役人であったと。ただ、彼の場合には思考が欠如していた。そのために、それほどの大きな罪を犯すことになったと。いわゆるアイヒマンが、いやいや、ハンナ・アーレントが訴えたかったのは、いわゆる悪の凡庸さ、平凡な人間が真剣に考えることを欠如することによって犯す罪の大きさであります。

私は、上関の原発のことも含めまして、本県の職員の皆さん方は現実にしっかり向き合い、そして、県民の立場に立って真剣に考え、そして、なすべき役割を果たしていく。そういう県政の執行に取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。