「6.MaaS(マース)について」
MaaSは、「モビリティー・アズ・ア・サービス」の頭文字をとった略語で、新たな次世代移動サービスのことです。鉄道・バス・タクシー・ライドシェアなど複数の乗り物の予約や決済をアプリで済ませ、使いたいときに使うことを可能にしたこのサービスが、現在、世界で急拡大しています。
国土交通政策研究所報は、「MaaSとは、ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティー(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念である。利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索、利用し、運賃等の決済を行う例が多い。」と記述しています。また、日経新聞が、今年の7月3日号にMaaSの発祥地であり先進地である北欧フィンランドを訪ねての取材記事を掲載していまして、それを読みますと、このサービスが世界的に拡大しつつある理由がわかります。
こうした交通サービスに関する世界的動向は、交通政策が、まちづくりや都市計画との一体化から、さらに交通に関する情報通信の統合に向かうことを示しています。その土台となる情報通信インフラの整備やルールづくりのために法制度を整えることは、国が早急に取り組むべきことですが、そうした時代の流れを先取りして、県において、あるいは県下の市町や事業者においてやれることは、積極的にやっていこうという姿勢は、持ってほしいものです。
我が国ではMaaSを、新たなモビリティサービスの一環と位置付け、経済産業省・国土交通省が、新しいモビリティサービスの社会実装に挑戦する地域等を応援するプロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」を開始し、本年の4月から5月にかけて全国公募を行いました。そして、6月に28の支援対象地域・事業を選定しましたが、その中に本県の地域・事業が含まれていないのは残念です。
そこでお尋ねです。私はMaaSを含む新たなモビリティサービスの本県への導入については、積極的に支援し、推進していく姿勢を県は持つべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。