(1)地方公会計の意義と活用について
地方公共団体の会計制度は、これまで予算の適正・確実な執行を図るという観点から、単式簿記による現金の収支に着目した現金主義会計が採用されてきました。ところが単式簿記では、発生主義の複式簿記を採用する企業会計と比べて、過去から積み上げた資産や負債などの状況を把握できないこと、また減価償却や引当金といった会計手続きの概念がありませんでした。
そこで国は、単式簿記・現金主義会計の補完ということで複式簿記による発生主義会計を導入し、資産や負債などのストック情報と減価償却費や引当金などの現金支出を伴わないコストも含めたフルコストでのフロー情報の把握を可能にする地方公会計の整備を検討し、進めてきました。
そして、平成27年1月に統一的な基準による地方公会計マニュアルを公表し、この統一的な基準での財務書類の作成を、平成29年度までに行うよう全ての地方公共団体に要請しました。このことにより全国の地方公共団体は、複式簿記・発生主義会計に基づく財務書類(貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書)を作成し、単式簿記・現金主義会計を補完することになりました。
山口県議会において、公会計の重要性を再三、一貫して訴えてこられたのが公明党の先城議員でして、その見識と熱意に敬意を表したいと思います。
そこでお尋ねです。県は、統一的な基準による地方公会計の意義をどう認識し、本県の行財政運営に、今後これをどう生かし、活用していくお考えなのかご所見をお伺いいたします。