(2)財務書類の作成について
次に、本県も平成29年度から作成している地方公会計の財務書類について数点お伺いいたします。
ア.県民にわかり易い書類に
その1は、県民に分かりやすい説明を付記した財務書類にしてほしいということです。地方公会計導入の目的の一つは、地方公共団体の財政状況を、現金のフローだけではなく、資産や負債のストックの面からも明らかにして、住民や議会に対して説明責任を果たすことであろうと思われます。
つきましては、地方公会計の財務書類は、一般的な常識があれば理解できるような説明がある、わかり易いものにするよう努めるべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
イ.公表の時期
次に、この財務書類の公表の時期についてであります。県財政に関しフローだけではなくストック情報も含めて県民や議会に対して説明責任を果たすことになる地方公会計の財務書類は、議会の決算審査に間に合うよう作成し公表するのが望ましいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
ウ.固定資産台帳
次に、固定資産台帳についてです。地方公会計の統一的な基準による財務書類の作成にあたっては、財務書類の作成に必要な情報を備えた補助簿として固定資産台帳を整備することが求められています。
固定資産台帳とは、固定資産を、その取得から除売却処分に至るまで、その経緯を個々の資産ごとに管理するための帳簿で、所有するすべての固定資産(道路、公園、学校、公民館等)について、取得価額、耐用年数等のデータを網羅的に記載したものです。
従前の制度では、地方公共団体は、公有財産を管理するための公有財産台帳や個別法に基づく道路台帳等の各種台帳を備えていましたが、これらの台帳は、主に数量面を中心とした財産の運用管理、現状把握を目的としており、資産価値に係る情報の把握が前提とされていない点で、固定資産台帳と異なります。
そこでお尋ねです。固定資産台帳の整備は、個別の行政評価や予算編成、公共施設の老朽化対策等に係る資産管理等においてベーシックな情報を提供するものとして重要であり、また、その情報が公表されることにより、民間事業者のPFI事業等への参入促進につながることが期待されています。つきましては、本県における固定資産台帳の整備状況、記載内容及びその情報の公表方針についてお伺いいたします。