1.農業振興への取組みについて
(1)トビイロウンカ対策について【部長答弁】
トビイロウンカ対策についての5点のお尋ねにお答えします。
まず、被害の原因とその対応についてです。
今年は、平年と比べ2週間早く、120倍もの量のトビイロウンカが飛来し、8月の高温により異常なペースで増殖したことに加え、梅雨明けが遅く、初期の防除が困難であったことなど、複数の要因により被害が拡大したものと考えています。
この対応として、全国で最も早く警報を発令し、1週間ごとに技術情報を発出するなど、農業者はもとより、農薬取扱業者や防除受託団体等に対し、防除対策の周知・徹底を図ったところです。
次に、被害を防ぐことができなかった理由についてです。
警報等に基づく徹底した防除が行われたものの、大量飛来と高温により、お示しの第2世代幼虫が爆発的に増殖し、薬剤が効きにくい卵や成虫も多数混在したため、多くの個体が生き残ったものと考えています。
次に、来年以降の対策については、効果の高い新薬剤の導入や散布時期の見直しなど、本年度の実態を解析しながら、防除体系を改善し、次期作に向け、SNS等も活用して速やかに周知・徹底を図ります。
次に、指導体制の強化についてです。
県の普及指導員とJAの営農指導員が、連携した指導体制の下で、防除対策をはじめとした技術指導を行っているところであり、県においては、引き続き、普及指導員の計画的な定員管理に努めながら、個々の専門分野等も踏まえた効率的な人員配置により、充実した指導体制を確保します。
また、JAでは、今後、営農指導員を増員していく方針であることから、経験の少ない指導員を対象とした研修を合同で実施するなど、県とJAが一体となって指導体制の強化を図っていきます。
次に、被害に強い品種の開発と栽培方法の確立についてです。
現在、国の研究機関で、抵抗性品種の開発が進められており、早期の品種育成に向け、本県においても、生育特性の調査を実施しているところです。
また、栽培方法については、現地の情報を収集・整理し、今後の実証試験に反映するなど、多様な農業者の経営に活かせる技術の普及に繋げてまいります。