20代・30代の若い世代の所得向上について【部長答弁】
一億人国家シナリオと県政についてのお尋ねのうち、20代・30代の若い世代の所得向上についてお答えします。
非正規雇用については、価値観やライフスタイルに応じて多様で柔軟な働き方を選択できる一方で、正規雇用と比べ、雇用が不安定、賃金が安い、能力開発の機会が少ないなどの課題があります。
こうした課題の解決に向けては、正社員を希望する方の正社員転換を支援し、非正規雇用で働く若者の所得向上と収入安定を図ることが重要と考えています。
このため、県では、山口しごとセンターにおいて、非正規労働者の正規雇用化に向けたスキルアップ研修の実施や、雇用転換支援員によるマッチングを行うとともに、正規雇用した企業に対し支給される国のキャリアアップ助成金の活用促進を図っています。
こうした取組に併せ、非正規雇用労働者の希望や意欲・能力に応じた正規雇用への転換や、待遇改善施策の充実を図るよう、全国知事会を通じて国に要望してきたところです。
こうした中、現在、国においては、次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略方針」を策定し、若い世代の所得向上を図るための政策として、非正規雇用の方々の正規化を促進することとしています。
具体的には、生活費等への不安なく、主体的にリスキリングに取り組むことができるよう、生活を支えるための新たな給付や融資制度の創設などについて検討されています。
県では、こうした国の検討状況を見守りながら、引き続き、若者が安心して働くことができるよう、非正規雇用で働く若者の所得向上と収入安定に取り組んでまいります。
普遍性のある育児休業制度について【部長答弁】
一億人国家シナリオと県政についてのお尋ねのうち、まず、普遍性のある育児休業制度についてお答えします。
現在、国においては、次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略方針」を策定し、年末までに、方針の具体化を進め、戦略を策定することとされています。
この方針においては、多様な働き方と子育ての両立支援を図るため、雇用保険が適用されていない週所定労働時間20時間未満の労働者についても、育児休業給付等を受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向け検討を進めることが示されています。
また、自営業・フリーランス等の育児期間中の経済的な給付に相当する支援措置として、国民年金の第1号被保険者について、育児期間に係る保険料免除措置を創設することとされています。
こうした中、お尋ねの育休制度を普遍性のある制度にすることについては、社会保障制度として、給付と負担の在り方も含め、国において検討されるべきものであり、県として、国に提言することは考えていませんが、子育て世帯への経済的負担の軽減等については、引き続き、国に要望を行ってまいります。
地方創生について【知事答弁】
合志議員の御質問のうち、私からは地方創生についての2点のお尋ねにまとめてお答えします。
地方創生は、自立発展できる住みよい地域を創り、東京圏から地方に人を呼び込むことで、持続可能な地方分散型の社会を実現し、そのことを通じて、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目指す政策です。
私は、こうした国の政策に呼応し、地域の経済の活性化や魅力の向上を図る取組を通じて、本県の活力を高めていくことが重要と考え、県としての「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、国の地方創生推進交付金なども活用しながら、総合的な取組を進めてきたところです。
この結果、企業誘致による新たな雇用の場が生まれ、移住者等が大きく増加し、中山間地域において持続可能性を高める地域づくりが進むなどの成果が上がっています。
こうした中、今般のコロナ禍を経て、国民の意識や価値観が大きく変化するとともに、デジタル化・脱炭素化などにより、社会経済の構造変革が急速に進んでおり、国においては、こうした動きに対応した、「デジタル田園都市国家構想」が新たに策定されています。
それぞれの地域が、デジタル技術の活用により、個性を生かしながら、自主的・主体的な取組を進め、東京一極集中の是正と多極化を図ることで、地方から国へのボトムアップの成長に繋げる、地方創生の新たな展開が始まっており、県としても、取組をさらに強化していかなければなりません。
このため、私は、新たな総合戦略を策定することとし、産業競争力の強化や人材の定着・移住の一層の促進など、持続可能な地域の構築に向けた取組をさらに進め、確かな成果に繋げていくこととしており、このことはお尋ねの「自律分散型統治」にも通じることになると考えています。
また、地方創生の取組を進める上で、地方の権限を高め、財政基盤を強化していくことが必要不可欠であることは、改めて申し上げるまでもありません。
とりわけ、地方の税源については、その偏在が大きな課題となっており、自治体間の財政力に大きな格差が生じていることから、国に対して、その是正に向けた積極的な取組を求めていく必要があります。
権限の面においても、提案募集方式の導入等により、一定の成果は出ているものの、まだ十分とは言えない状況です。
このため、私は、先般実施した政府要望においても、地方の安定的な財源の確保と国から地方への権限移譲を求めたところであり、今後も、全国知事会等とも連携しながら、取組を進めていきます。
私は、今後とも、国としっかり連携し、また、地方が主体的に施策を実施していく上で、必要な提案も国に行いながら、本県の実情や特性に応じた地方創生の取組を積極的に推進し、持続可能で活力に満ちた山口県の実現に取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
不妊治療について【部長答弁】
次に、不妊治療についての2点のお尋ねにお答えします。
まず、体外受精に対する助成措置についてです。
体外受精については、令和4年4月から保険適用とされるとともに、国の助成制度が廃止され、これに伴い、治療の内容によっては、保険適用前と比べ、自己負担額が増加するケースも生じたところです。
このため、国において、保険適用範囲の拡大や自己負担額の軽減を図る制度が創設されるよう、現在、政府要望や全国知事会等を通じ、国へ要望を行っているところです。
次に、人工授精に対する助成額の上限についてです。
一般不妊治療に係る助成は、初診から検査、タイミング法や排卵誘発法などの一連の治療を対象にしており、そのトータルの医療費を考慮して、助成額の上限を設定しています。
一方で、人工授精への助成については、一般不妊治療の助成に加え、さらに必要な費用に対し、助成しているものです。
現行の人工授精に対する助成額については、保険適用前は3万円であったものを、3割の自己負担額を考慮して9千円とし、保険適用前後で同程度の助成となるよう制度設計したものであり、上限額の見直しは考えておりません。
1. 20代・30代の若い世代の所得向上について
我が国の出生率の急速な低下の背景には、「晩婚化」の進行があります。「晩婚化」は、二つの面で出生率の低下をもたらしています。一つは、結婚が遅れるという「晩婚化」が、結婚しないという「非婚化」に結びつき、生涯未婚率(50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合)の大幅な増加につながっているという面からです。生涯未婚率は、男性の場合、1990年は5.6%であったのが、2020年には28.3%と5倍も上昇しており、女性は1990年4.3%であったのが2020年には17.8%と4倍になっていまして、こうした非婚化の動きが、出生率に重大な影響を与えています。
もう一つは、「晩婚化」は、必然的に「晩産化」となり、「晩産化」は「少産化・非産化」に向かうという面からです。母親の第1子出生時の平均年齢の推移をみますと、1975年は25.7歳だったのが、2021年は30.9歳と5歳も高齢化しており、1970年代半ば以降我が国では晩婚化が急速に進行していることがわかります。ことに、30代後半以降になると、女性の妊娠確率の低下と高齢出産を忌避する傾向によって少産化・非産化の可能性が高まります。この結果、我が国では1990年代から、第2子や第3子を持たない「少産化」や、子どもを持たない「非産化」が進み、出生率が低下していきました。
こうしたことから明らかになってくるのは、出生率の向上のためには20代・30代の若い世代が、結婚や出産を選択する社会にしていかなければならないということであります。そして、そのためには若い世代の所得の向上と経済的安定を図るとともに、結婚・出産への支援を充実して、若い世代が結婚・出産のライフプランを描けるようにしていかなければなりません。
では、国はそのことに向けてどういう政策課題に取り組むべきなのでしょうか。ハッキリしていることは、非正規雇用の若年労働者の所得向上と収入安定を図っていくことが重要であるということです。
我が国において、晩婚化・非婚化が増加していることの社会的背景として指摘されているのは、1990年代後半以降、不安定雇用の若者が増えたことであります。なぜそうなったのかと言えば、1985年に制定された労働者派遣法が、1999年の改正で原則自由化され派遣の対象業務の制限をなくしたことが大きく影響していることは明らかです。このことにより、若い世代においても非正規雇用の労働者が増加していきました。
総務省の「平成29年就業構造基本調査」を基に作成された資料によれば、30歳から34歳の間の男性で結婚している割合は、正規雇用の場合は59%ですが非正規雇用の場合は22%となっていまして、正規と非正規を比べて結婚に関してもその格差の大きいことに愕然とします。我が国では、非正規雇用の若年労働者の多くは、結婚・出産のライフプランが描けない経済的状況の中におかれているわけで、この状況を改めることなくして出生率の向上は望むべくもありません。
そこでお尋ねです。我が国の出生率を上げていくためには、非正規雇用で働いている20代・30代の若者たちの所得向上と収入安定を図り、彼らが結婚・出産のライフプランを描けるようにしていくことが重要です。ついては、そのことに向けて労働政策に取り組むよう国に対して求めるべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
→(部長答弁)
2. 普遍性のある育児休業制度について
2000年代後半以降、我が国では共働き世帯が急速に増大し、2020年には全体の7割近くの1240万世帯に達し、今や我が国では、共働き世帯が主流になっています。共働きの増大は、我が国のみならず、スウェーデンなど欧米諸国において共通して見られる動きですが、こうした共働きの増大は、各国の出生率にどういう影響を及ぼしてきたのでしょうか。
私たちは、共働き世帯は経済基盤が安定するので、生む子供が増えて、出生率が向上するのではないかと期待しますが、共働き世帯に関する実証研究によると、「女性の就業によって、出産が抑制される」という分析結果がこれまで多く示されています。確かに、就業している女性にとって出産・育児は、離職期間の収入減や就業中断によるキャリアアップ機会の喪失、また出産、育児、再就職という環境変化への対応に伴う身体的・精神的負担の増大があり、そうしたマイナスを解消する支援策が講じられない限り、女性の就業の増大は、出生率を低下させる方向に働くと考えられます。
このことに関して、主要国(スウェーデン・フランス・ドイツ・イギリス・アメリカそして日本)における女性労働参加率と合計特殊出生率の推移を示した資料を見ますと、1970年頃は概ね2の近辺の水準にあった出生率(日本の1970年の出生率は、2.13)が、女性労働参加率が高まるにつれ、そのマイナス効果によるものと思われますがいったん下がっています。ただ、その後2017年時点では日本以外の各国は、1.8あたりまで合計特殊出生率が回復しています。共働きが主流のこれら主要国の中で、なぜ日本だけが出生率の回復を成し得ず今日に至っているのでしょうか。
指摘されているのは、仕事と育児の両立支援策の柱である育児休業制度(以下育休制度)において、日本の場合は普遍性がないことです。
日本の育休制度では、その対象は、雇用保険制度の対象者であって、出産時も就業が継続していることが必要であり、「自営業者」や「無職の専業主婦」はもちろんのこと、出産のため退職した「出産退職」の女性は、正規・非正規を問わず含まれていません。このため、2021年の「出生動向基本調査」によれば女性の5割程度が育休制度の対象外になっていまして、日本の育休制度は普遍性がないと言われる所以です。
これに対し、スウェーデン、フランス、ドイツなど出生率が回復している国の育休制度は、すべての親を対象にしていて、企業の正規雇用者のみならず、非正規雇用や自営業者、無職、学生なども対象にしており、養子縁組の親の場合も含まれていて普遍性のある制度となっています。
共働きが主流の我が国において、女性の5割が両立支援の柱である育休制度の対象外であるという現状を放置したまま、出生率の向上を図っていくことは困難であります。財源確保の課題があるとは云え、育休制度を普遍性ある制度にしていくことは、「一億人国家シナリオ」を実現していくために避けて通れない道であると考えます。
そこでお尋ねです。岸田政権が、これから進めようとする少子化対策である「こども未来戦略方針」を、真に実効性のある異次元の少子化対策にしていくためには、育休制度を普遍性のある制度にすることが、取り組むべき施策として盛り込まれる必要があります。つきましては、このことを国に提言すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
→(部長答弁)
2.普遍性のある育児休業制度について【再質問】
1回で終わるつもりでしたけど、育休制度と、それから不妊治療に対する答弁が、あまりにもゼロ回答みたいな感じで、2回目の質問に頼らざるを得なくなりました。
育休制度を普遍性のあるものにするように、国に対して提言したらどうかと、提言する考えありませんということなんだけれども、提言したらいいじゃないですか。まあそれが一つですね。
→(部長答弁)
合志議員の再質問にお答えをいたします。
お尋ねの育休制度を普遍性のある制度とするよう、国へ提言したらどうかということでございました。
繰り返しになりますけども、この件につきましては、国においても「未来戦略方針」において検討する方針が出されておりますことでございまして、社会保障制度として給付と負担の在り方も含めて国において検討されるべきものと考えておりますので、提言することは考えておりません。
3. 地方創生について
地方創生は、少子高齢化が進行する中で、東京圏への人口の過度な集中を是正し、地方において活力ある地域社会を実現していくための政策として、安倍政権のもと2014年から、国の重要政策として位置づけられ、担当大臣を置いてその取組が進められて来ました。
私は、2014年10月、当時自民党幹事長だった石破茂さんが、初代の地方創生担当大臣に就任されてから1か月余り経過した頃ですが、地方創生の事務局になっている内閣官房の「まち・ひと・しごと創生本部事務局」を訪ねたことがあります。その時、応対してくれた事務局の方は、地方創生の取組方針をペーパーにまとめたものを示して説明してくれたのですが、意外だったのは、その中に地方分権に関することがなかったことでした。そこで、そのことを指摘して理由を聞いたら、「地方分権を担当するところは別にあって、そちらでやります。」とのことでした。また、地方創生に向けての取組も、これまで言われてきたことの延長線上のように思われ、やや期待外れの感を持ちました。そこで思ったことは、安倍政権の地方創生への取り組みは、地方創生担当の大臣を置いて、地方創生を国の重要政策として位置づけたことに意義があり、地方創生の旗印は掲げられ、意気込みはあるものの、地方の力が発揮されるようになるための骨太の政策は伴っていないなということでした。その後の地方創生の事業推進を見ますと、それはそれなりに効果があった面もあると思いますが、基本的に補助金行政の域を脱していません。
2014年夏の骨太方針で、1億人の人口維持の国家目標が示され、その年の秋に地方創生が国の重要政策の柱として位置づけられたことから察するに、地方創生は、「一億人国家シナリオ」を実現するための国家戦略、ことに東京圏への人口の一極集中を是正する役割を担う戦略としての構想されたものと思われます。出生率が低い東京圏への人口の集中は、どうしても国全体の出生率を下げていく方に働くことから、これの是正は、「一億国家シナリオ」において重要な課題です。
そうした位置づけ、役割を担って地方創生の取組が開始された年の翌年の2015年以降も、7年連続して出生率の低下が続いていて、地方創生の推進が必ずしも出生率の向上に結び付いていない現状があります。その理由は、地方創生が、個々の補助政策メニューの提供の域にとどまっていることにあるのではないでしょうか。
これからの地方創生は、これまでの取組に加えて、地方が力をつけて自律的に魅力と活力に満ちた地域社会を実現していくための基盤となる国の仕組みの構築という方向に向かわなければなりません。私は、その基盤となる国の仕組みは、明治以来の中央集権型統治の国家社会から転換して、自律分散型統治の国家社会にしていくことで築かれるのではないかと考えています。
そこでお尋ねです。本当の意味での地方創生を実現していくためには、財源と権限において国と地方との関係をどうしていくのが最も望ましいのかという地方分権に係る課題にも併せて取り組んでいく必要があると考えます。ついては、このことを国に求めるべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
また、明治以来の中央集権型統治を改めて、自律分散型統治の国家社会にしていくことが、地方創生の上からも望ましいこれからの国づくりの方向であると考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。
→(知事答弁)
4. 不妊治療について
我が国では、不妊を心配し治療を受ける夫婦が増えています。実際に不妊の検査や治療を受けた夫婦は全体で18.2%、つまり5.5組に1組の割合になっています。不妊治療の実施件数も年々増加していまして、日本産科婦人科学会の調査によると、2018年の体外受精による出生児数は5万6979人にのぼり、年間出生数としては16人に1人に相当しています。
不妊治療には、妊娠しやすい性行為の時期を指導するタイミング療法、妊娠しやすい時期に精子を直接子宮内に注入する人工授精、卵子を採って体外で受精させた受精卵を着床しやすい時期に子宮に戻す体外受精の3通りがあります。
一般的に不妊治療は、タイミング療法にはじまり人工授精に進み、それでも妊娠しない場合は体外受精へとステップアップしていくケースが多いようです。ただ、1年以上自然妊娠しなかったカップルが、タイミング療法により妊娠する確率は約5%、人工授精の場合も約10%までといわれています。3通りの不妊治療の中で最も妊娠確率が高いのは体外受精です。ちなみに、2018年に全国592施設で行われた体外受精の妊娠確率は31.9%でした。このように、体外受精は妊娠確率が高い不妊治療法なのですが、問題はその治療費が高額なことです。公表されている調査結果によれば1回あたりの治療費は、タイミング療法は数千円~2万円程度、人工授精は平均で約3万円程ですが、体外受精は平均約50万円です。そこで、有効な少子化対策の施策の一つとして、体外受精に対する助成を手厚くすることが考えられます。
令和4年度からタイミング療法だけではなく人工授精も体外受精も保険適用になったことは歓迎すべきことでありますが、本県の不妊治療に対する助成の在り方は、形だけで心がこもっていない感があります。その内容を見ますと、先ずタイミング療法は、元々保険適用があり夫婦一組に年間3万円を上限に助成がありました。それが現在も継続されています。人工授精は、夫婦一組につき年間3万円を上限に助成がありましたが、令和4年度以降は保険適用になり治療費負担が3割になったことを受けて助成の上限は年間9千円に減額されました。妊娠確率が低くて治療費負担も少ないタイミング療法への助成が、人工授精への場合より多額なのはどうしてなのでしょうか。さらに、私が疑問に思うのは、高額で最も助成を必要としている体外受精の不妊治療に対しては、何の助成措置もないことです。
県としては、体外受精に対して保険適用以前は、その高額な治療費の負担を軽減するために国と県で助成していたが、保険適用になり治療費の自己負担が3割に軽減されたので助成の必要はなくなったと考えているのではないか察していますが、不妊治療の実情についての認識を欠いた措置と断ぜざるを得ません。
私は、体外受精の不妊治療をしている方の話を聞きましたが、体外受精が保険適用になったとは云え、体外受精の一連の治療に要する費用の自己負担額は、1回につき20万円程になり、6回までは保険適用が認められるが、経済的に余裕がない人たちは途中で断念せざるを得なくなると語っていました。こうした現状に手を差しのべていくことこそ、本当の少子化対策ではないでしょうか。
そこでお尋ねです。体外受精と比べて妊娠確率が低くて大幅に治療費も安いタイミング療法や人工授精に対しては保険適用後も助成措置があるのに、妊娠確率が高い体外受精に対しては、保険適用後もなお治療費に高額を要するにもかかわらず助成がない現状は改めなければなりません。「やまぐち未来維新プラン」には、一般不妊治療(タイミング療法等)・人工授精・特定不妊治療(体外受精等)まで、不妊治療の流れの全てをカバーする治療費助成を実施すると記されています。
つきましては、速やかに体外受精の不妊治療に対してもしっかりした助成措置を講ずるべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。また、人工授精に対する助成の上限も見直す必要があると考えますが、併せご所見をお伺いいたします。
→(部長答弁)