『友好協定締結35周年記念中国山東省を旅して』

【友好協定締結35周年記念中国山東省を旅して】

先般、5月30日から4泊5日の日程で中国の山東省を、友好協定締結35周年記念の訪問団の一員として訪問してきました。私にとりましては20年ぶりの訪中でしたが、印象深かったことにつき所感を報告いたします。

1. 経済発展
最も印象深かったことは、経済発展している中国の現状を実地に見聞できたことです。飛行機から、あるいは鉄道・バスの車窓から見た上海、北京、済南、青島等の都市は、整備された広い道路に自動車が溢れており、近代的なビルが立ち並び、またマンションビル等の建設が相継いでいて、20年前とは様変わりしていました。政治の安定が続けば、中国経済は今後も発展し続けることでしょう。

2. 環境問題
山東省の省都である済南市を訪ねた日は、天候は晴れでしたが、空を見上げても青空は見えず、薄曇りに霞んでいるようでした。その日の夜、山東省長の主催による歓迎レセプションの時、隣席の省幹部の方にそのことを話したら、工場の排気ガスだけではなく、急速に増えている自動車の排気ガスも中国の大気汚染の原因になっているとのこと。ただ、環境問題には真剣に取り組んでいて、これから良くなるとの見解でした。

3. 航空貨物
北京空港での出来事。福岡空港から上海を経由して北京空港に着いたのは、予定より1時間半ほど遅れの午後5時ごろでした。ところが、空港の手荷物受取場に村岡知事のスーツケースが、待てども待てども現れませんでした。
日程初日は移動日で公式行事がないため、知事はラフな服装にして背広等はすべてスーツケースに入れていたので大変、翌日からの公式行事用に急きょ北京のデパートで必要な衣服や靴などを買い揃えました。
その後、その日の夜の10時半ごろ知事の荷物が北京空港に在ることが分かり届けられましたが、北京へのフライトで利用した航空会社は、こうしたトラブルの場合、24時間以内に荷物を本人に届けることができれば、トラブルは解決したとみなして弁償等はしない旨の説明があったようです。従って、知事がデパートで買求めた衣服代等の弁償は、旅行会社の保険対応になりました。

4. 高速鉄道
中国では、日本の新幹線に相当する高速鉄道の整備が進んでいるようです。今回、北京から済南、済南から青島への移動は高速鉄道でした。乗り心地は快適でスピードも時速200キロを超え、中国の高速鉄道技術が向上していることが窺えました。
ただ日本と違うのは、治安上の理由もあるのでしょうが、乗車する際に必ず改札口で外国人はパスポートを、中国人民は身分証明書を見せてチェックを受けなければならないことです。現地のガイドの方は、中国人の日本旅行を度々お世話していて、そうしたチェックが必要ない日本の新幹線システムを褒め讃えていました。

5. 中華文明
日程3日目の6月1日、山口県・山東省友好協定締結35周年を記念して山東省博物館にて開催されることになった「郷愁-日本近代浮世絵名品展」の開幕式に参加しました。その後はしばらくフリーの時間があり、山東博物館の各コーナーを見て回ることができました。そこには紀元前からの山東省における土器、銅鐸等の発掘物や美術工芸品など様々な展示があり、豊かで高度に発達した中華文明の悠久の歴史に思いを馳せました。中国の現共産党支配体制は、そういう中華文明の歴史の中で、どういう評価になるのか興味深い点です。

6. 日中友好
今後このまま推移していけば、日本と中国は、経済的な面では国力の差がつくなとの感を持ちました。そうした中において日本と中国が、真の友好関係を築き上げ維持していくためには、双方が互いに認め合い、敬意を払う関係になっていくことが大事のように思われます。そのためには、日本は精神性において優れた国になっていくことが求められるのではないか。そうした思いを深くした、今回の中国の旅でした。
(合志栄一)

 

 

 

2018年3月16日