Four Happiness
―地球・日本・山口・私たちの幸せ―
【武の心を養う】
私は最近、日本は武の国としての確立を図るべきだと思っています。武は、今日一般的に武力を意味し、好戦的イメージがありますが、武の本義は、平和をあらしめる力であり、武に備わっている強さは、そのための手段です。
武の字義について白川静氏は、その著「字訓」において、「武を、『戈(ほこ)を止める』と解することは、後世の思想による解釈にすぎない。止は趾(あし)であり、武は、戈をあげて前進する勇武のさまをいう字で、歩武堂々の意である。」と述べています。
確かに、武の元初の字義はそうなのでしょうが、それが「戈を止める。即ち戈による争いを止めて平和をあらしめる力」と解されるようになり、そのことが武の本義として広く受け入れられるようになったのは、武の意味する内容が、時代の推移の中で人間社会の要請に応えて進化したということではないでしょうか。
日本建国の初代神武天皇の神武は易経の「神武不殺」に由来するそうですが、私は、そうした「武の心」を養う教育が推進され、世界の平和を支える武の徳を備えた人材が育っていくことを願っています。