「平成29年就業構造基本調査」によれば、30歳から34歳の間の男性で結婚している割合は、正規雇用の場合は59%ですが、非正規雇用の場合は22%となっていまして、正規と非正規を比べて結婚に関してもその格差の大きいことに愕然とします。
我が国では、非正規雇用の若年労働者の多くは、結婚・出産のライフプランが描けない経済的状況の中におかれているわけで、この状況を改めることなくして「少子化・人口減少」の流れを食い止めることはできません。
非正規雇用の若年労働者の増加は、1990年代後半以降顕著になりました。
その背景には1985年に制定された労働者派遣法が、1999年の改正で原則自由化され、派遣の対象業務の制限がなくなったことがあります。
このことにより、企業の多くは、非正規雇用を増やすことで人件費を抑え、企業としての競争力を強化しようとする方向に向かいました。
しかし、そのことが、日本の企業の国際競争力を増すことにつながり我が国を豊かにしたかというと、そうとは言い切れないようです。
むしろ、不安定雇用の若年労働者が増えたことによるマイナスの方が大きいのではないでしょうか。
いずれにせよ、20代・30代の若者の所得の向上と収入の安定を図り、彼らが結婚・出産のライフプランを描けるような国にしていかなければなりません。
そのことに向けて、労働政策はどうあるべきか問われています。
このことにも関心を向け、地方の現場にいる県議だからこそできる貢献をしていこうと期しています。