(2)収支均衡の構造化について【部長答弁】
行財政構造改革に関する数点のお尋ねにお答えします。
まず、収支均衡の構造化についてです。
県においては、歳出が歳入水準を上回る、硬直化した財政構造を転換するため、徹底した歳出構造改革に取り組んでいます。
その推進に当たっては、例えば公共事業については、全国水準並みの投資規模への抑制に向けて、事業の重点化等により、投資水準の適正化を進めています。
また、県債の発行については、公債費の長期的な減少基調の維持に留意をしながら、施設の耐用年数とのバランスや地方財政計画、他県の状況等を踏まえ、30年債の導入を推進しているところです。
県としては、今後も、毎年度の地方財政対策等を踏まえ、行政サービスの水準の分析や個別事業の点検等を行いながら、収支均衡した持続可能な財政構造への転換に取り組んでまいります。
(3)総人件費の縮減について【部長答弁】
次に、総人件費の縮減に関する3点のお尋ねにお答えします。
まず、本県の職員数及び給与水準の現状についてです。
職員数や給与水準は、各地方公共団体における職員の年齢構成の違い等から、標準化が難しいところですが、総務省においては、参考となる指標として「定員回帰指標」や「ラスパイレス指数」を設けており、これらに照らせば、現在、本県の定員や給与は、適正な水準にあると考えています。
次に、総人件費の縮減は、県の職員数及び給与水準を標準的なものにする取組と見なしていいのかとのお尋ねです。
本県の職員数や給与については、これまでも、地方自治法や地方公務員法の規定に沿って、国や他県との均衡等を踏まえ、適正な水準となるよう努めてきたところであり、改革期間を含め、不断の取組が必要であると考えています。
次に、総人件費の縮減は、計画期間中の取組を通して構造化され、完了する見通しなのかとのお尋ねです。
総人件費の縮減については、現時点において、目標とする効果額を達成できる見込みとなっていますが、改革期間終了後においても、職員数や給与を適正な水準に維持できるよう、社会経済情勢の変化や、国・他県との均衡等も踏まえながら、継続的に取り組んでまいります。
(4)公の施設の見直しについて【部長答弁】
行財政構造改革に関する御質問のうち、秋吉台国際芸術村についてのお尋ねにお答えします。
芸術村は、地域の文化芸術活動の拠点の一つとして、これまでも、アーティスト・イン・レジデンス事業など、施設の特徴を活かした運営を行ってきたところですが、こうした取組は、現在では全国に広まってきています。
県では現在、行財政構造改革の一環として、公の施設の見直しに取り組んでおり、芸術村については、地元美祢市から「施設機能を残した上で、民間企業への譲渡や参入可能な活用施策について検討してほしい」との要望がありました。
県としては、先日「民間による活用など、市の意向も踏まえながら、幅広く見直しを検討し、その具体的な内容等について市との協議を継続する」との、芸術村の見直しの方向性をお示ししたところであり、今後も市と十分に協議を重ね、見直しの具体化に向けて検討を進めてまいります。
(4)公の施設の見直しについて
イ 秋吉台芸術村について【再質問】
公の施設の見直しで秋吉台芸術村は廃止になるのではないかということで、関係者の間では動揺が広がっている点がございます。私は秋吉台芸術村の廃止はありえないと考える者ですが、秋吉台芸術村の見直しについての結論は、いつ頃までに出す方針なのか、お伺いします。
【部長答弁】
秋吉台国際芸術村についての再質問にお答えいたします。芸術村の見直しは、いつ頃までに結論を出すのか、とのお尋ねでございました。県では、地元美祢市の意向も踏まえながら、幅広く見直しを検討することとしております。
こうした検討に当たりましては、一定の時間が必要であり、期限ありきで見直しを進めるということではなく、今後、その見直しの具体化に向けて、市と十分な協議を継続してまいります。
(1)地方公会計の意義と活用について【部長答弁】
次に、地方公会計についてのお尋ねにお答えします。
まず、地方公会計の意義と活用についてです。
地方公会計制度による統一的な基準での財務書類の作成は、県財政の実態を分かりやすく正確にお伝えすることで、県民や議会への説明責任を果たすとともに、コストやストック情報等を体系的に把握し、これを活用することを通じて、持続可能な行財政基盤の構築にも資する取組と考えています。
県としては、引き続き、県財政の状況を分かりやすく、きめ細かに情報提供するとともに、財政運営や政策形成を行う上での基礎資料として、各種財務書類の活用を進めてまいります。
(2)財務書類の作成について
ア.県民にわかり易い書類にすることについて【部長答弁】
次に、財務書類の作成についてです。
従前、財務書類については、財務諸表のみを作成し、その説明が不足していたとの認識から、平成28年度決算分からは、主要項目に説明を加えた概要版を作成し、併せて公表をしているところです。
今後も、県民の皆様に県の財務状況への興味・関心を持っていただき、かつ十分に理解していただけるよう、表現等にも工夫を凝らしながら、より分かりやすい資料の作成に努めてまいります。
(2)財務書類の作成について
イ.公表の時期について【部長答弁】
次に、財務書類の公表時期についてです。
平成29年度決算分以降、ストック情報も含めた概要版の作成をできる限り前倒し、決算特別委員会でお示ししているところですが、その他の明細書等については、財務書類の各項目を整理し、その内訳を作成するなどの作業量が膨大であり、概要版と同時期の公表は困難であると考えています。
(2)財務書類の作成について
ウ.固定資産台帳について【部長答弁】
次に、固定資産台帳についてです。
県では、財務書類の作成に必要な補助簿として、平成28年度決算分から固定資産台帳を整備しており、庁舎等の事業用資産や道路等のインフラ資産など、約10万件の資産について、取得価額、減価償却累計額、現在簿価などを記載しているところです。
各資産の情報の中には個人情報等も含まれており、全てを公開することは困難であるため、公表については、土地や建物などの資産区分ごとに集計し、財務書類の概要版に掲載する形をとっており、個別の内容は、具体的な問い合わせ等に応じて、公表を行うこととしています。
3.内部統制制度について【部長答弁】
次に、内部統制制度についてのお尋ねにお答えします。
県では、内部統制に係る全庁的な仕組みづくりや、制度の円滑な運用を図るため、昨年4月に庁内の推進体制を整え、関係課で連携しながら、県としての方針の策定等を進めてまいりました。
また、内部統制の対象である財務に関する事務について、全庁的にリスクの洗い出しを行った上で、組織として対応する必要性が高いものを選定し、チェック体制を強化するなど、本年4月からの制度導入に向け、対応策の整備に取り組んでいるところです。
また、制度導入後においては、リスクの発生を防ぐための体制や関連するマニュアル等が十分であるか、実際に不適正な事案が生じていないかなどの観点で評価を行い、その結果について、毎年度、監査委員の意見を付した上で議会に提出し、公表することとしています。
県としては、財務に関する事務の適正な執行を確保するため、この内部統制制度を十分に活用し、リスクに的確に対応できる組織体制づくりに努めてまいります。
(1)現状の総括と今後の見通し
平成29年度から取組みが開始された行財政構造改革は、本県の財政が恒常的に歳出が歳入水準を上回る硬直した構造になっているのを改めて、収支均衡した持続可能な財政構造への転換を図ろうとするものであります。計画期間は、平成29年度含めての5年間で令和3年度までです。当初、この改革の取組みを行わなかった場合見込まれる財源不足額は、総額で1350億円もの巨額にのぼると推計されています。
令和2年度当初予算案の概要に示されている行財政構造改革の見通しを見ますと、確実に改革の取組みは効果を上げており、令和4年度からは臨時的な財源確保対策に依存することなく収支均衡した財政運営が実現するようです。
つきましては、行財政構造改革は現在進行中ですが、現状の総括と今後の見通しについてお伺いいたします。