二回目の質問を行います。
もう三回目で、随分くどくこのことを取り上げてきていますけれども、現状認識できちっと答えていただきたいのは、自立支援法で医療型短期入所事業指定所に指定された二つの医療機関、受け入れていないという、この事実認識ですね、その認識があるのかを確認いたします。
本来国において、こういう医療福祉制度は制度設計されるものであるという、そこは私もそうだと思うんですが、それが実情に合ったものになるように、現場の実情を把握して、そして、いろいろと意見を述べていく、働きかけをしていくということは、当然、県が果たすべき重要な役割である、そう考えるんですね。
県民の暮らしや、あるいは地域づくりにかかわりの深い国の政策を現場検証して、そして、それが適正なものになるように働きかけをしていく、あるいは補完をしていくのは、県政の役割であるという、その認識に立って、この難病患者のショートステイのあり方についての私なりの現状認識に基づく考えを述べているわけでありますが、そういう一つの国の政策を現場検証して、そして改めるべきところは改めるように、県民の暮らしと地域の立場に立って働きかけを国に対してやっていく、それが県政の大事な役割だという、この認識についての知事の考えも改めてお伺いしたいと思います。
それから、身体障害者療護施設の中で、ALS等の難病障害者を受け入れるための施設整備をしたところは、まさしく医療機関はなかなか受け入れるところが少ない、あるいは老健施設を考えているということを言われましたけれども、そういったところよりも、より医療ケアもある程度対応できる難病患者の定期的なショートステイの受け入れ先としては、非常に認めていい適切な施設だと思うわけでありますね。そして、そういう施設が現に役割を果たしてきている。
しかし、一方、特に自立支援法になりまして、報酬の単価の算定が厳しくなりまして、施設運営がある意味では厳しくなってきている中にあって、そういうことについて、やはり県あるいは市町も理解を示してほしいというのは、当然の声でありまして、そういう声にこたえていく姿勢は当然あってしかるべきだと考えますけれども、その点について、改めてお伺いいたします。
以上で、二回目の質問といたします。
【回答】◎知事(二井関成君)
再質問にお答えいたします。
先ほど具体的な御質問をいろいろいただきました。これについては、今村部長のほうから答弁をさせていただいたとおりでありますが、先ほどの御質問がありました点について、やはり国がどういうふうに考えているのか、先ほど難病対策は国の責任でやってもらいたいということを申し上げましたので、その辺の意見交換を国としながら、どういう課題があるのか、その辺を詰めていく必要もあると思います。単なる財政的な問題で対応できないのか、あるいは福祉と医療とのはざまにある問題として実現ができないのか、いろいろ課題もあると思いますから、そういうことも含めて、先ほど部長も答弁をしましたように、いろんな課題の解決が図られるのか図られないのか、その辺を踏まえながら課題を整理をした上で検討して、どういう対応が必要なのか、検討していきたいと思います。
【回答】◎健康福祉部長(今村孝子さん)
再質問のうち、まず医療型短期入所事業所、自立支援法での、それについてどういう認識をしているかということですが、まず二つございますが、一つは、先ほど御質問でございましたように、休止しております、ただいま。そして、もう一つの旧山陽病院、山口宇部医療センターは、受け入れていないというふうには聞いておりません。
そして、ただ、もう一つつけ加えますと、医療ケアを必要とする難病患者の最近の状況について、各保健センターに確認いたしましたところ、ショートステイを希望した患者さんについては、医療機関ですべて対応されている状況が現在ございます。
それから、三番目の質問ですが、これは、多少、知事の御答弁と重複すると思いますが、私の担当といたしましては、おっしゃることは全くそのとおりだと思いますので、健康福祉センターとか、そういう市町に近い、患者さんや家族に近い状況の中でいろんなことをお聞きして、交流会とか相談会などで患者さんや家族の方は何を御希望されているか、そしてまた、施設側はどういうことを希望されているか等をしっかり聞きながら、先ほど申し上げましたように、家族の生活の質及び患者さんの質の向上に向けて、しっかり検討していきたいと思っております。
三回目の質問というよりも、要望を兼ねての発言をさせていただきたいと思います。
この難病患者らのショートステイのことで、私は、厚生労働省の担当の職員の方にもお会いして、いろいろ御意見も聞き、また、この議会の質問のときに申し上げているようなことも述べさせていただいたところであります。
平成二十一年度の見直しで、医療連携体制加算が設けられました。その際には、私が申し上げております身体障害者療護施設等が看護体制を強化して難病の方のショートステイを受け入れる、そういう場合も加えるかどうかということも、検討課題、議論になったということを聞いております。私は、昨年の十二月県議会で、そういうことについての要望を国に対して上げるように、質問の中で申し上げたわけでありますが、具体的な一つの山口県における事例としてそれが伝わり、そしてまた、制度改正の要望がなされておれば、あるいは、このたびの報酬改定において、医療連携体制加算に看護職員を強化した場合も加えた可能性もあるなと私は見ているところであります。
いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、県政は地方の現場にあって、そして、福祉行政は実施主体が市町になる場合が多いわけでありますが、その市町の現場のありようを、国よりももっと身近なところで把握できるわけでありまして、そういう立場から、やはり国の制度がよりよきものになるように、常に現場の県民の立場に立って声を上げていく、働きかけをしていく。そして、国ができないことは県において補完していく。そして、県民の暮らしと地域がよくなるように役割を果たしていく。そのことが県政の大事な役割である。そういう観点から、この難病の患者のショートステイの定期的な受け入れ体制の整備につきましても、しっかり取り組んでいただきますよう強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
どうも御清聴ありがとうございました。
(1)福祉医療制度の見直しについて
質問に先立ち、今議会に提案されております平成二十一年度県予算をどう見ているか、まず申し上げます。
来年度予算は、これまで八年間続いたマイナス予算を改め、対前年比○・六%とはいえ、プラスの積極予算を組まれたことを高く評価します。
アメリカ発金融危機で世界同時不況となり、経済活動が、あらゆる面、あらゆる地域で収縮に向かい、それがまた景気の後退を招くという悪循環に陥っている今日、県のプラス予算は、それを断ち切り、経済成長、景気回復に向かうよう、本県経済を後押しする役割を果たし、心理的な面からもプラス効果があるものと評価しております。
福祉医療制度に一部負担を導入した予算になっている点は、支持できませんが、予算全体としては、緊急事態に対応し、なすべきことをなしていくという意思が貫かれていると見ております。
それでは、通告に従い質問を行います。
最初は、福祉医療制度の見直しについてでございます。
私は、福祉医療制度の見直しに取り組むことに、反対するものではありません。しかし、財源不足を主たる理由に、当事者、関係者の了解、納得を欠いたまま一方的にこの制度を見直して、一部負担金を導入実施しようとすることには反対であります。
福祉医療制度は、重度心身障害者と乳幼児を対象にした医療費助成が、昭和四十八年から、母子家庭を対象にした医療費助成が、昭和五十三年からスタートし、今日に至っております。三十余年続いてきているこの制度は、対象者になっている人たちにとっては、生活設計の前提になっているものであり、一部負担が図られることは、実質的な増税であります。負担が生じたからと言って、医療をやめることはできないからであります。
この福祉医療制度の対象者が最も多いのは、重度心身障害者で約四万二千百人ですが、この方々が、制度見直しにより負担することになる医療費は、年間で平均約一万二千円と推計されます。
このことをどう受けとめるかは、さまざまあろうと思いますが、本県が平成十七年から県民一人当たり年間五百円の森林税を導入した際、入念に県民の理解を得るための努力を行い、そのために必要と思われる手順、手続を慎重に踏んだことと比べると、余りにも違い過ぎます。
公共性についての考察で著名な現代思想家ハーバマスは、公開された討論を通して形成された公論――公の論ということでありますが、公開をされた討論を通して形成された公論が、市民的公共性を獲得すると述べておりますが、このたびの福祉医療制度の見直しは、そういった意味での公論形成の議論のプロセスが欠けているため、県の公共政策としての正当性をいまだ獲得し得ていないと断ぜざるを得ません。
私は、健常者も障害者も、同じ人として分け隔てなく等しく生きていくノーマライゼーションの考え方からして、障害者も可能な応分の負担をしていくことに反対するものではありません。また、自治体が、財政規律を保持するために一定の負担を求めようとすることも理解できます。
ただ、該当者の医療費を無料にしてきた福祉医療制度を、本人一部負担の制度に見直すことは、公共政策としての本制度のあり方の重要な変更になることから、十分な政策論議と、当事者、関係者の了解、納得を得る努力のプロセスを経る必要があるのではないかと申し上げているのであります。
県は、福祉医療制度を、一部本人負担の制度に見直すことについて、まず、県下の市町の担当者と昨年の十月以降、数回協議を行っております。そして、本人負担の限度を、通院の場合は月千円、入院の場合は月二千円とし、支払い方式は、病院の窓口で、一たんは医療費を、医療保険の自己負担分を払ってもらい、後で限度額を超えた分を助成する償還払い方式に見直す原案を固めました。その方針が、該当者の関係団体に伝えられたのは、その後でして、昨年十二月になってからのことです。
この原案は、県予算編成の最終段階において、重度心身障害者の場合は、通院の月限度額を千円から五百円に減額し、三歳未満児の医療費の無料化は継続する。そして、支払い方式は、償還払い方式を撤回して、すべて現行の現物給付方式を維持するという内容に修正されました。
その背景には、障害者団体、腎友会、母子寡婦福祉連合会等関係団体の強い要望活動があり、県議会各会派、各党からも、福祉医療制度の見直しには、慎重を期すべき旨の意向が伝えられていたことをそんたくしての知事判断があったものと思われます。
ただ問題なのは、弱い立場にある県民の命と暮らしを守る重要施策としての福祉医療制度が、今回のようなプロセスで簡単に変えられていいのかということであります。私は、有識者と関係者による諮問委員会を設けて、福祉医療制度の見直しを諮問し、そこでの徹底した政策論議と関係者へのヒアリングを経た上での答申を受けて、県が最終判断すべきであったと考えます。
私が聞く声は、このたび、一たん一部負担を受け入れてしまったら、後はまた、県は、財政事情を理由に、負担額を随時引き上げていくのではないかという不安の声であります。こういう不安を持たれるのも、福祉医療制度を一部本人負担の制度に変更するに当たって、今後、この制度をどういう原則的な考え方に立って維持していくのかが明確になっていないからであります。
また、複数の病院、診療科へ通院する場合、一月に支払う医療費一部負担金の総額に上限設定を望む声があります。通院は、重度心身障害者は月五百円、ひとり親家庭と三歳以上の幼児は月千円の負担ということですが、それは、受診する病院や診療科ごとでして、それが複数になれば医療費負担額は、その数を掛けた額になるからであります。私は、このたびの見直しで、制度対象者の医療費負担額は実際どうなるのか、実情を把握した上で、こうした声にもこたえる対応策を検討すべきであると考えます。
県は、県下の市町が独自に実施する制度の拡充措置等は妨げないとして、市町が無料の福祉医療制度を継続したければどうぞというスタンスでありますが、県と市町が一体となって実現し、守り育ててきた福祉医療制度において、県と市町の足並みがそろわないようになることは決して望ましいことではありません。
県は、大幅な財源不足が見込まれる中、福祉医療制度も聖域視しないで見直し、一部負担を導入しようと取り組んだわけでありますが、先ほども述べましたように、その見直しは、いまだ公共政策としての正当性を獲得するに足る公論を形成するに至っておりません。しかし、それは、もう少しの努力で可能なところまで来ているように思われます。今、必要なことは、見直しの実施を急ぐことではなく、見直しの公論形成に向けて議論を尽くすことであります。
そこで、お伺いいたします。福祉医療制度を見直して、一部本人負担の制度に変更することは、当面凍結し、市町、有識者、関係者含めての合意形成に向けて議論を尽くすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
【回答】◎知事(二井関成君)
合志議員の御質問にお答えいたします。
まず、福祉医療制度の見直しについてであります。
既に多くの都道府県で一部負担金が導入をされております中、本県でも、市町との検討協議会を設置をし、数年前から一部負担金の導入等について検討を重ねてまいりましたが、子育て支援や低所得者対策の観点から、厳しい財政状況にもかかわらず、今日まで、県民の皆さんからいただいている県税収入や赤字地方債等を投入をして、無料化や現物給付方式を続け、何とか踏みとどまってまいりました。
しかしながら、これまでも御答弁申し上げておりますように、今後も大幅な財源不足が予想される一方、高齢化の進行等により、福祉医療制度の財政負担の増大が見込まれます中、さきの十二月議会におきまして、私としては、この制度について、一部負担金の導入や償還払い方式への移行などについて検討していることを表明をさせていただきました。
その後も、会議等を通じて、実施主体である市町の意見をお聞きをするとともに、私自身、県身体障害者団体連合会など当事者団体の代表の方々ともお会いをし、また、県議会の各会派や市議会、医療・福祉関係団体などから多くの御意見や御要望をいただきました。
私としては、これらの御意見や御要望を重く受けとめ、三歳未満児の受診実態や重度障害者の通院状況等について、さらに検討を加え、熟慮を重ねた結果、一定の配慮をすることとし、一部負担金については中国地方の中でも最も低い負担にとどめ、現物給付方式も継続することにいたしました。
私は、かつてない厳しい財政状況にあり、今後も悪化が懸念される中、この制度を持続可能な形で引き継いでいくためには、先送りすべきではなく、今、この制度を見直さなければならない、そのように考えまして、改めて、給付と負担のあり方についても検討し、医療費が無料となっている生活保護世帯あるいは原則三割となっている世帯とのバランス等も総合的にしんしゃくをし、一部負担金の導入に踏み切らざるを得ないと決断をしたところであり、また、そうしておくことが私の責務であると考えております。
私は、この福祉医療制度につきましては、多くの関係団体からの御要望等をお聞きした上で、苦渋の決断として、見直すことといたしたものであります。お示しのように、したがいまして、改めて関係者の御意見をお伺いすることは考えておりませんので、御理解をいただくようにお願いいたします。
次に、山口県振興財団についてであります。
振興財団が保有している中国電力株式につきましては、お示しがありましたように、本県の長い歴史の中で積み上げられてきた県民の貴重な財産であります。これまで、財団による適切な運用や保全管理のもと、配当金を活用した県への資金的協力が行われてきたところであります。
また、この資金は、県財政にとりまして、極めて安定的な歳入であるとともに、これまで、県庁舎の建設や山口きらら博の開催など、その時々の全県的な大規模事業の財源として、積極的な活用も図ってきたところであり、明年度におきましても、国体・全国障害者スポーツ大会関連事業の所要一般財源に充当することにいたしております。
そこで、今後の振興財団資金の活用についてでありますが、これにつきましても、その歴史的な経緯や県民の貴重な財産であるということは、当然、考えていかなければなりません。その上に立って、これから、また「住み良さ日本一の元気県づくり」を推進をしていくわけですから、その県づくりが確実に推進できるよう、それに資するような形にさらになるように、さらなる有効活用方法についても、検討はしなければならないというふうに考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。
(2)情報通信政策について
やまぐち情報スーパーネットワーク、いわゆるYSNの活用の目玉として構築され、平成十七年より全県的に稼働してきた山口県医療情報ネットワークシステムは、もともとあった広域災害・救急医療情報システムは残すものの、それ以外の三つのシステム、すなわち、医療連携情報システム、へき地医療情報システム、それに地域リハビリテーション情報システムは、本年末をもって廃止されることになりました。
以下、この質問で行う医療情報ネットワークシステムは、YSNを活用してのシステムとして構築された、この三システムであることを申し上げておきます。
平成十三年、きらら博開催時に、YSNは、情報先進県山口の幕開けを告げるものとして華々しくスタートしました。双方向で、文書、画像、音声等マルチメディアの送受信を可能にする全県的な高速・大容量の情報通信基幹網であるYSNは、さまざまな利活用が図られてきましたが、その中で情報化の恩恵を幅広く県民にもたらすものとして、県が特に力を入れて取り組んできた一つが、全県的な医療情報ネットワークシステムの構築でありました。
まずは、平成十一年から山口大学医学部附属病院を中心にして、実験的な医療ネットワークモデル事業へ取り組み、その成果を踏まえて、平成十五年に山口県医療情報ネットワーク構想を策定しました。その際、平成九年から既に運用していた、広域災害・救急医療情報システムをこの構想に組み込むこととなりました。そして、平成十五年からネットワーク構築に着手し、平成十七年に全県の医療情報ネットワークシステムを完成しました。
画像診断等の医療情報を送受信、検索できるこのシステムは、遠隔医療や医療連携を可能にし、医療の地域間格差をなくし、いつでも、どこでも、等しく、よりよい医療を県民すべてが受けることができる医療供給体制を確立することを目指して運用されてきましたが、開始五年目で廃止ということになりました。なぜ、そういうことになったのか、そのことを問うことを通して、本県の情報通信政策についてお伺いいたします。
まず最初に、医療情報ネットワークシステムの廃止について、素朴に疑問に思うこと三点をお伺いいたします。
第一点は、平成十八年に策定された県の保健医療計画の第二章「医療におけるITの活用」において、推進すべき施策の柱として位置づけられており、県の「中山間地域づくりビジョン」においては、へき地医療推進対策プロジェクトを構成するシステムとしての役割を担っており、これまで、二井県政が、「住み良さ日本一の県づくり」に向けて、主要施策の一つとして推進してきた山口県医療情報ネットワークシステムが、なぜ廃止されることになったのか、その理由であります。
第二点は、この情報ネットワークの廃止は、単に医療事業という観点からだけではなく、情報化推進の全体的観点からの議論があったのか、あったとすれば、どういう議論がなされたのかということであります。
第三点は、医療連携情報システム、へき地医療情報システム、地域リハビリテーション情報システムが廃止されることにより、これまで提供されていたサービスは、今後、どうなるのかということであります。
以上三点は、医療情報ネットワークシステム廃止の方針を県民が聞いた場合、当然に抱くであろう疑問を、県民にかわって問うものであります。県民に対して、説明責任を果たすということでの御答弁をお願いいたします。
次に、YSNの役割とあり方についてお伺いいたします。
これまで申し上げましたように、医療情報ネットワークは、廃止になりますが、そのネットワークでやろうとした医療画像の伝送による遠隔読影診断――読影診断というのは、CTやMRI等の画像を読んで病状を判別する、画像診断と見てもいいでしょう。遠隔読影診断は、山口大学の産学連携のベンチャービジネス会社である医療福祉工学研究所を母体とした、山口医療画像研究センターと契約した県内外の二十を超す医療機関との間で実現しております。この医療情報システムは、ビジネスとして成り立っており、会社発足して五年を経過した今日、月二千件以上の読影診断を行っております。
県が確立した医療情報ネットワークでは、これを利用しての画像所見依頼は、萩市民病院が山大附属病院に対して依頼したと思われるものが、平成十九年度、八十三件であります。県の医療情報ネットワークが、実現しようとした遠隔医療の核に画像診断がありましたが、利用する医療機関が広まらず、利用数もわずかにとどまったと言えましょう。
そういう現況を踏まえて、せっかく県が力を入れて確立した医療情報ネットワークではありますが、民間でできることは、民間にゆだねるということで、廃止する決断をしたのであれば、それはそれとしてうなずけるところであります。
なぜ、県の医療情報ネットワークが、うまく機能するに至らなかったのかを調べていきますと、医療上必要とされる情報は、具体的、個別的、直接的なものであり、しかも、タイムリーでなければなりませんが、それにこたえ得る医療情報提供システムを構築することは、行政がなし得る範囲、能力を超えるものであったことが明らかになってまいります。
一方、医療画像研究センターは、医療画像の読影ということに絞って、医療上のニーズに的確にこたえる医療情報提供システムを、民間事業として確立することに成功しました。
ところで、このシステムは、YSNを使っていません。医療画像センターを立ち上げた方に、その理由をお聞きしましたところ、NTT等が、ブロードバンドサービスを提供しているエリア内においては、あえてYSNを使用しなくても、情報システムを構築できるということでありました。
さて、私は、昨年六月県議会で情報通信基盤の整備ということで一般質問をした際に、二井知事が、やまぐち情報スーパーネットワーク、すなわち、YSNの整備を取り組まれたことを高く評価しました。そのことは、今も変わりありません。
ただ、医療情報ネットワークのことを通して明らかになってくることは、具体的な個々の情報サービスは、民間事業者に任せたほうがいいということでありまして、YSNは、その民間事業者による情報サービスの提供が、全県的にくまなく等しく行われるよう、情報通信基盤の整備に役立てるべきということであります。
そこで、お伺いいたします。家庭、事業所、企業等が直接光ファイバー網でつながる超高速ブロードバンド社会への移行が進捗している今日、県が情報通信の基幹網として整備したYSNの役割とあり方は、今後、どうあるべきとお考えなのか、将来を見据えての御所見をお伺いいたします。
次に、山口県振興財団についてお伺いいたします。
平成十九年十一月、中川秀直元自民党幹事長が、国の特別会計の積立・剰余金を指して、「国民に還元すべき埋蔵金がある」と発言。これを、当時の自民党財政改革研究会の会長でありました与謝野馨氏、現在は金融経済担当大臣で財務大臣も兼務しておられますが、その与謝野さんが、「そんなものは存在しない」と真っ向から否定いたしまして、いわゆる霞が関埋蔵金論争が勃発しました。この論争は、しばらくして決着、大方の特別会計で超過積立金があり、その総額は五十兆円に上っていたことが明らかになりまして、平成二十年度の予算編成では十兆円が取り崩されました。
その後は、国の財政再建に向けて、消費税を上げるべきだ派とその前に埋蔵金を使うべきだ派の論争が続いておりますが、その論争は、国の政治をあずかる方々に任せるとして、我々県政に責任を持つ者は、山口県版埋蔵金に着目し、その利活用を図っていかなければなりません。
山口県には、そこからいつも小出しに使われている埋蔵金があります。正確に言えば、巨額の金融資産でありまして、本県が有する中国電力株のことであります。山口県は、御案内のように、中国電力株式を約五千万株持っておりまして、持ち株比率は一三・三%で筆頭株主であります。
全国の電力会社は、大株主を上位十番まで公表しておりますが、そこに名前が出ている都道府県は、持ち株比率が高い順に、山口県、富山県、東京都、高知県、沖縄県の五つであります。富山県は、持ち株比率が本県に次いでいますが、それは五・一二%で、本県とは差があります。東京都は、東京電力の株を約四千三百万株持っておりますが、本県には及びません。
これらのことから、山口県が都道府県の中で、電力株の保有という点において際立っていることがわかります。
山口県が、中国電力の株式を取得するに至った経緯は、大正十三年に県営電気事業を開始したことにさかのぼりますが、直接には、戦後昭和二十六年、現中国電力株式会社が発足したとき、同社に出資し、約二十万株の株式が割り当てられたのが始まりであります。
その後、増資に対応して本県の保有株式をふやしてきましたが、昭和四十九年、増資に対応するための県の借り入れが、国の政策変更により、できなくなったことから、財団を設立の上、中国電力株式会社の増資に対応するとともに、株式の管理・運用を行うことを決定しました。その財団が、山口県振興財団であります。
よって、本県が有する中電株は、この振興財団の財産として管理・運用されていますが、平成二十年三月三十一日現在の財産目録において、本財団の正味財産は、基本財産である中国電力株の時価総額約一千百億円から、長期借入金等の負債総額約百二十億円を引いた、九百八十億円であります。
本財団の設立目的は、財団寄附行為第三条において、「この法人は、山口県の財政運営に対する協力活動を推進することにより、山口県の振興を図り、もって県民福祉の増進と県勢の発展に寄与することを目的とする」としておりまして、設立以来、県財政に資金協力を行ってきております。
どういう事業に資金協力を行っているかを、平成二十年度事業計画で見ますと、県が行う重要な公益的事業に対する資金的協力ということで、一が、大規模な建設事業等に対する資金的協力、十七億円であります。これは大体、平成になってから、ほぼ十七億円が投入されておりますね。二が、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催事業に対する資金的協力、十億円でありまして、計二十七億円の資金的協力となっております。
平成二十一年度の県財政への資金的協力は、財源不足に対応して三十七億円ということでありますが、きらら博開催事業への協力ということで、平成十二年、十三年は、四十数億円拠出されていることからすれば、五十億円ぐらいあってもいいような気もいたすところであります。
ただ、この中電株財産の運用による資金協力は、基本財産である株には手をつけず、配当金で行っていくということで今日まで来ておりまして、その配当金は、ここ二十年間、ほぼ二十四億円で推移しております。
私は、これまでは、その方針でよかったと思いますが、道州制への移行が予想されている今日、これからは、この貴重な財産を、将来に向けた本県の基盤整備にしっかり使うことも考慮されていいのではないかと思われます。
特に、情報通信政策についての質問の中で述べました超高速ブロードバンドサービスが、中山間地域、僻地、離島を含めて、全県どこでも一○○%提供できる情報通信基盤整備のために使うことは、最も望ましく、二井県政が、YSNの整備で推進した情報化の総仕上げは、そこにあると考えます。
財団寄附行為第七条は、基本財産の処分の制限を定め、基本財産は、これを処分し、または担保に供することはできないとしておりますが、さらに、ただし書きにおいて、やむを得ない理由があるときは、理事会において、理事の三分の二以上の同意を得、かつ、主務官庁の承認を受けて、その一部に限り処分し、または担保に供することができるとしておりまして、理事会判断で、主務官庁の承認は要りますが、思い切った本財産の利活用は可能であります。
県振興財団の理事長は知事で、理事は知事が指名することになっておりますので、本財団の県財政への資金的協力をどうしていくかは、まさに知事がどう考えるかにかかっております。
そこで、お伺いいたします。知事は、山口県振興財団の県財政への資金的協力を、今後、どういう方針のもと行っていく考えなのか、御所見をお伺いいたします。
以上で、一回目の質問とさせていただきます。(拍手)
【回答】◎健康福祉部長(今村孝子さん)
情報通信政策のうち、山口県医療情報ネットワークシステムに関する二点のお尋ねにお答えいたします。
これまで、山口県医療情報ネットワークシステムは、医療の地域間格差の是正や医療機関の連携強化を図ることを目的として、高速・大容量のデータ通信を可能とするYSNの特徴を生かしながら、医療機関を相互に結びつけ、遠隔画像診断や紹介状の送受信、空きベッド情報データベース化が行われるなど、システム導入時においては、医療情報のネットワーク化に向け、大きな成果が見られたところです。
しかしながら、近年、医療機関から、現行システムの物理的処理能力や技術的制約を超える静止画像、動画、音声など多様なデータの送受信が求められており、経費的な問題も含め、これに応じた継続的かつ迅速なシステム改修が、困難な状況となっています。
また、インターネットを活用した遠隔画像診断に民間企業が参入するなど、民間によるサービスが進み、これに伴いシステムの利用件数は、毎年度減少しているところです。
県といたしましては、こうした状況を踏まえ、医療関係者の意見も聞きながら、費用対効果を勘案して、広域災害・救急医療情報システムも含むシステム全体のあり方の検討を行い、機能の整理統合を行った上で、必要な機能については、より充実を図るとともに、医療連携情報システムなどお示しの機能は、廃止し、来年一月を目途に、システム全体の再構築を行うこととしております。
次に、これまで提供していたサービスについてのお尋ねでございますが、このサービスは、民間の情報基盤を活用して提供されることとなりますが、県民が医療機関を選択する際に役立つ情報の提供など、県の関与が望まれるサービス内容につきましては、再構築後のシステムで、引き続き提供することとしており、今後とも、医療分野における情報化の推進に努めてまいります。
【回答】◎地域振興部長(小田由紀雄君)
情報通信政策についての二点のお尋ねのうち、まず医療情報ネットワークシステムの見直しにつきまして、情報化推進の観点からお答えをいたします。
県では、やまぐち情報スーパーネットワーク、今からYSNと言わさせていただきますけれども、これを活用して、医療、環境、土木など、さまざまな分野において、多様なサービスを広く県民に提供していますが、こうした公共アプリケーションにつきましては、より効果的なサービスを提供していくため、情報通信技術の進展や利用者のニーズの変化などを踏まえて、随時そのあり方を検討し、必要に応じて見直していくべきものというふうに考えております。
今回の医療情報ネットワークシステムの見直しにつきましては、当該システムを取り巻く状況変化を踏まえまして、医療関係者の意見も聞きながら、費用対効果を勘案した上で、システム全体のあり方を検討して機能の整理統合を図るものであり、県民にとって役立つ情報提供システムに改修されるものと、こういうふうに考えております。
次に、YSNの役割とあり方についてです。
御案内のとおり、県では、県民が等しく情報通信技術の恩恵を受けることができるように、全県的な高度情報通信基盤としてYSNを構築し、さまざまな分野におきまして積極的な利活用を図ってまいりました。
特に、YSNが供用開始されました平成十三年当時は、民間による情報通信網の整備が進んでいなかったことから、光ファイバーを活用した高速・大容量の情報通信ネットワークであるYSNを開放することにより、民間による各種情報サービスの提供やブロードバンド環境の整備に先導的な役割を果たすことを期待しておりました。
その後、民間事業者によるブロードバンドサービスは急速に進み、本県におけるブロードバンド世帯カバー率は九八・六%になり、また、民間で提供されるサービスの高度化・多様化も進むなど、一定の成果を挙げてきたところであります。
一方、採算性の面から、民間による情報通信網の整備が進みにくい中山間地域や離島などの条件不利地域におきましては、YSNの無料開放というメリットが、民間投資の促進に寄与しており、携帯電話の不感地域の解消や、CATVの中継線としてYSNが活用されるなど、いわゆるデジタル・ディバイドの解消に貢献しているところであります。
このような本県の状況を踏まえますと、YSNにつきましては、当面は、公的情報通信基盤として、情報の地域間格差を是正するという役割を果たしていく必要があると考えておりますが、将来につきましては、お示しのありました、超高速ブロードバンド社会への移行に対応した民間事業者のサービスの動向を注視しながら、そのあり方を含め、検討していきたいと、こういうふうに考えております。
福祉医療制度のことにつきまして再度お伺いいたします。
私は、三カ月に一回ほど開かれています、障害福祉の仕事に携わっている方々の勉強会に参加しておりまして、それが先般開催されましたときに、やはり福祉医療制度の見直しのことが主たる話題になりました。そのときに、払えと言っても払えない人たちがおると、むしろ旗立てて座り込んでも反対するという発言もあれば、障害者といえども、できる負担はしていかなければならないと思うという発言もありました。これぐらいだったらできる負担というので、通院の場合、ワンコイン、五百円ということでありまして、この点は御利益かなと思っているわけでありますね。
ただ、そういう方も、また、県が財政事情でまた引き上げるということになると、それは非常に苦しくなると。重度心身障害者の場合に、年金が月八万三千円でございます。これがまた上げられるようなことになれば、幾らか負担増を耐えることができるだろうけれど、そういうことがないままに負担が上げられるようなことは、もうそれはしないでほしいと。
それから、もう一つは、やはり病院、診療科が複数になった場合に、限度は三千円以内なんだと、四千円、五千円になれば、とてもやはりそれはもうできなくなってくるということであります。
そういうようなことにつきまして、不安を解消するような、一つの福祉医療制度のこれからのあり方についての原則的な基準、ルール、そういうものをやはり市町、それから有識者、関係者を含めて、合意の形成を、私はやっぱり、図る取り組みをすべきだと、それは、今、少しの努力をすれば可能なんだと思っておるところであります。
その合意形成まで、凍結すべきということを申し上げました。見直しの実施は、自治体は七月以降になりますから、凍結によりまして福祉医療費の支出がふえましても、六月議会で補正いたしますれば、現予算は修正しなくて済みます。
そういうことで、改めて、このことにつきまして、関係者を含めて協議されるよう、要望いたしておきます。
さて、福祉医療制度につきましては、知事の考えはほぼ出尽くしました。後は議会にボールが投げられました。これからは議会の取り組みが問われます。関係者の不安を残したままの制度の実施を認めてしまったら、議会の存在意義が問われてしまいます。そうならないための、これからの議会での議論が行われることへの期待を表明いたしまして、私の質問を終わります。