令和4年2月定例県議会【2.上関原発建設計画の変更】

県づくりの基本的方向について

2.上関原発建設計画の変更

上関原子力発電所の建設は、その必要性が国のエネルギー政策において薄れており、建設の可能性は将来的にないことを認めて、それに替わる発電所建設への計画変更を図ることが、原子力発電所建設計画に賛同し受け入れて国のエネルギー政策に協力してきた上関町に対して、国や県がとるべき誠意ある態度であると考えます。

国が描く電力に関するエネルギー政策の長期ストーリイが見えてきました。今日、エネルギー政策は、電力分野においても脱炭素化を図りつつ安定供給を実現していくことが求められています。この課題に応えるこれまでのシナリオは、再生可能エネルギーと原発のセットでした。それが現在、再生可能エネルギーとCO2を排出しないカーボンフリー火力発電とのセットという方向へのシナリオ変更が図られています。

その新たなシナリオに基づく長期ストーリイは、次の通りです。その1は、再生可能エネルギーによる発電の拡大を推進し、主力電源にしていく。その2は、CO2を排出しないカーボンフリー火力発電の社会的実装を進めていく。その3は、再生可能エネルギーとカーボンフリー火力発電により必要な電力が安定的に確保できるようになるまでの間、原子力発電は、補完的且つ過渡的な役割を担うベースロード電源として活用する。その4は.原子力発電は、既設の原子炉の稼働で対応できるので、原発の新増設やリプレース(建て替え)は、行わない。以上です。

このストーリイは、昨年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画(以下、略称6次エネ計画)」や、国が現在進めているエネルギー政策などから見えてくるものでして、以下そのことに関し述べていきたいと思います。

先ずストーリイその1、再生可能エネルギーの主力電源化についてであります。このことに関しては、6次エネ計画は、「再生可能エネルギーについては、主力電源として最優先の原則の下で最大限の導入に取り組む。」との方針を明記し、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギーが、2050年の発電量で占める割合を、参考値ということではありますが、約50~60%としています。

次にストーリイその2、CO2を排出しないカーボンフリー火力発電の社会的実装についであります。再生可能エネルギーによる発電は、天候に左右されやすく出力変動が大きいので調整電源且つベースロード電源としてこれをバックアップし電力の安定供給を実現しているのが火力発電ですが、CO2の排出量が多いのが問題でした。この問題の解決なくして2050年カーボンニュートラルの実現はあり得ません。そこで現在、我が国では、CO2を出さないカーボンフリーの火力発電所の開発とその社会的実装に向けて、二通りの取り組みが進められています。一つは、燃焼してもCO2を出さない水素・アンモニアを燃料として活用した火力発電への取り組みです。もう一つは、CO2回収装置を付設した高効率石炭火力発電への取り組みです。

前者の取り組みとしては、東京電力と中部電力との折半出資会社で日本最大の火力発電会社である株式会社JERA(ジェラ)が、昨年8月から愛知県の碧南火力発電所で始めているアンモニアの燃焼試験があります。この試験は、粉状の石炭にアンモニアを混ぜて燃やす実証試験で、少量のアンモニア混焼から始めて、3年後には20%混焼を実現し、2040年代にはアンモニア100%の発電を目指しています。こうしたJERAの火力発電ゼロ・エミッション化を目指すカーボンニュートラルへの取り組みが、菅総理の就任後最初の所信表明演説における「2050年カーボンニュートラル宣言」を、リアルティあるものにしました。

後者の取り組みとしては、中国電力と電源開発が折半出資で設立した大崎クールジェン株式会社のプロジェクトがあります。これは、瀬戸内海に浮かぶ島(広島県大崎上島町)で行われているもので、石炭火力の発電効率をガス化と複合発電により究極まで高めると同時に、排出されるCO2は分離・回収してCO2の排出実質ゼロを実現しようとするものです。複合発電は二通りありましてガスタービンと蒸気タービンによる複合発電がIGCC、それに更に燃料電池を組み合わせた複合発電がIGFCです。平成28年3月から始まった実証試験は3段階ありまして第1段階では、IGCCの発電効率の向上、設備の耐久性、設備費を含む発電コストなどのすべての目標をクリア、第2段階では、IGCCの90%以上のCO2分離・回収に成功、そして、本年3月から第⒊段階に移り、IGFC実装に向けた実証実験は今年度中に完了する予定です。加えて大崎クールジェンでは、分離・回収したCO2をコンクリート素材や燃料などに再利用するカーボンリサイクル(CCUS)の技術確立に向けたプロジェクトが、2025年3月までを事業期間として進められています。

以上のようなカーボンフリー火力発電の実証試験の成果を踏まえ、今後は、カーボンフリー火力発電の実用化とその社会的実装が確実に進んでいくものと思われます。

次に、ストーリイその3、原子力発電は、補完的、過渡的なものになるについてです。これまでCO2を出さないで安定的に電力を供給する発電施設として重要視されていたのが原発でしたが、そのことはカーボンフリー火力発電においても可能になりますので、カーボンフリー火力発電の社会的実装が進んでいけば、原発の役割は、自ずと補完的、過渡的なものとなり、その必要性は次第に薄れていくことになると思われます。

このことは6次エネ計画が、2050年の電源構成見通しにおいて原子力単独の比率を示していないことからも窺えます。6次エネ計画で注目すべきは、電源構成に初めて水素・アンモニア発電が取り上げられたことです。水素・アンモニア発電は、CO2を出さないカーボンフリー火力発電でJERAがその実用化に向けて実証試験に取り組んでいることは先に紹介しましたが、その水素・アンモニア発電の電源構成比率が、2030年は1%程度とされ、2050年は参考値ということではありますが10%程度と想定されています。それに奇妙と思われますが、原子力とCO2回収型火力発電即ちカーボンフリー火力発電を一括りにして2050年におけるその電源構成を30~40%としています。こうしたことから、何が読み取れるのでしょうか。

私は、福島原発事故以後も電源のベストミックスということで「原子力発電は、電源構成比率において20~22%を将来にわたって確保していく。」とされていたエネルギー政策の基本方針の転換があったと見ています。水素・アンモニア発電やCO2回収型高効率石炭ガス化複合発電などの社会的実装を進めていくことで、敢えて未だ国民の反対が根強くある原発の新増設はなくとも、電力の安定供給と2050年カーボンニュートラルは実現できるとの判断のもと6次エネ計画は策定されたものと考えられます。原子力からカーボンフリー火力の方向へ舵を切ったことを象徴的に示しているのが、2050年における水素・アンモニア発電の電源比率10%であり、原子力の電源比率が単独で示されずカーボンフリー火力と一括りで30~40%とされたことであります。

そしてストーリイ4、原発の新増設・リプレースは、行わないについてです。このことは、ストーリイ3からも明らかなことです。国は、2050年カーボンニュートラルに向けて必要な原子力発電は、既設の原発で対応できると判断しているものと考えられます。このことは、昨年10月の6次エネ計画の策定に際して萩生田経済産業大臣が、「現時点で原子力発電所の新増設・リプレースは想定していない。」との考えを表明し、従来の政府方針を踏襲する姿勢を明確にしたことからも明らかです。2050年カーボンニュートラルの実現に既設の原発だけではなく新設の原発も必要というのであれば、新しい原発の建設・稼働には少なくとも30年前後の歳月を要することから、現時点において原発の新増設の方針を打ち出し着手しておかなければなりません。そのことを経済産業大臣が否定したことからも、国は2050年カーボンニュートラルを、原発の新増設なしに実現していくとの方針を確定していることが伺われます。それなら、2050年以降に原発の新増設があるのかということですが、カーボンニュートラルと電力の安定供給が、基本的に再生可能エネルギーとカーボンフリー火力で実現できるのであれが、その先にも原発の新増設はあり得ないのではないでしょうか。緩慢な退場、これが将来的に原発が辿る道であろうと思われます。尚、中国電力の島根3号機は建設が完成しており、既設の原発と見做していいと考えています。

以上、縷々申し上げてまいりましたが、その目的はただ一つ、上関原発の建設は、将来にわたってないという事実をわかってもらうためです。そして、原発の受け入れで町の振興を図ろうとしてきた上関町に、原発に替わる発電施設の誘致が実現するよう上関原発建設計画の変更に、県が主導して取り組むべきことを訴えるためであります。では、原発に替わる発電施設は何でしょうか。私は、それは大崎クールジェンプロジェクトで取り組まれているCO2回収型で高効率の石炭ガス化複合発電所であると考えます。

カーボンフリーの火力発電は、水素・アンモニア発電という方向もありますが、本県の場合、中国電力が取り組んでいる大崎クールジェンプロジェクトの成果であるCO2回収型のIGCC若しくはIGFCを導入する方向が妥当であることは言うまでもありません。

以上の理由から、上関原子力発電所の建設計画は、CO2回収型の石炭ガス化複合発電所(IGCC)若しくは石炭ガス化燃料電池複合発電所(IGFC)の建設計画に変更することを提案します。ついては、この上関原発建設計画の変更につき、県が主導的役割を果たすことを期待するものですが、ご所見をお伺いいたします。

私の質問は以上ですが、この度の質問は、国の総合資源エネルギー調査会の委員である橘川武郎教授(国際大学大学院)からの教示や発表しておられる見解に負うところが多いことを申し添えておきます。

→(理事答弁

 

 

令和3年11月定例県議会【1.施策の基本方針について】

コロナ対応と経済再生

1.施策の基本方針について

我が国で初めてコロナ感染者が確認されたのは昨年即ち令和2年の1月16日でした。政府はその2週間後の1月30日に、「新型コロナウイルス感染症対策本部」の設置を閣議決定しました。以来今日まで1年10か月余、コロナの感染拡大防止の対策徹底と医療提供体制の整備を最優先課題としつつ、国民の暮らしと社会経済活動も可能な限り支え維持し回していくとの方針のもと政府のコロナ対策は推進されてきました。人流抑制のための強力措置である緊急事態宣言の発出も4回ありましたが、概ね国民の理解と協力が得られ、マスクの着用、手洗い、手指消毒、検温、換気、三密回避などコロナ感染拡大防止の生活行動パターンも国全体において徹底してきていることの上に、ワクチン接種が進み今年の10月からはコロナ感染者数は大幅に激減して今日に至っております。

本県で、コロナ感染者が初めて確認されたのは昨年の3月4日で、陽性者が1名あった旨公表されています。以来、これまで全国的に第一波から第五波まであったコロナ感染拡大の波と本県も無縁ではなく、ことに昨年末から年明けの間の第三波の時は、高齢者医療施設でのクラスター発生もあり感染ピーク時には、1日88名の感染者が確認されました。また、今年の7月から9月の間の第五波は、コロナウイルスが感染力の強いデルタ株に置き換わったことからピーク時の8月は感染者が全国で2万名を超える日が続き、本県でも8月19日に119名の感染者を確認しています。これは、本県における一日当たり感染者確認数の最高値であります。

我が国のコロナ感染者累積総数は、本年12月1日現在172万7081人でそのうち1万8361人の方が亡くなられています。山口県では感染者累積総数は5792人で93人亡くなられています。こうした感染者数、死亡者数をどう評価するかは見解が分かれるところですが、私は、世界各国のコロナ動向と比較してみるとき、日本は国もそして本県も、「よく、やってきた。」と評価していいのではないかと思っています。ことに、感染リスクの中に身を置き、心が折れそうになる辛い思いを度々しながらもそれを乗り越えコロナ診断とコロナ患者への医療看護等に当たってこられた医療従事者の皆さま、新型コロナウイルスのPCR検査を所管し、クラスター発生時などにはそのことに伴う膨大な業務を地道に根気強く徹底的に遂行し、本県におけるコロナウイルスの感染拡大阻止を成し遂げてこられた保健所関係の皆さまに心から感謝と敬意を表したいと思います。

また、国が設置した翌日の令和2年1月31日に、本県は村岡知事を本部長とする山口県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しました。この対策本部は、これまで先般11月25日の会議を含め述べ29回の本部員会議を開催して、コロナ対処の方針決定、県民への呼びかけ、医療提供体制の整備確保、ワクチン接種の推進などコロナ対策における総合司令塔の役割を果たしてきました。村岡知事の陣頭指揮のもと健康福祉部健康増進課をはじめとする関係部課の奮闘により、本県のコロナ対策は、国の方針とも呼応しながら本県の感染状況に応じて的確かつ着実に実施され、特にワクチン接種においては全国都道府県第一位の接種率を維持するしっかりした取り組みが図られました。このことは、高く評価されていいと思います。

村岡知事は、先日11月24日の記者会見で知事選三期目出馬の決意を表明されました。「県民の命と健康を守る」コロナ対応に優れた指導力を発揮し、これまで2期にわたり着実な県政運営を推進してこられた村岡知事が、三期目を目指されることは当然の流れであり、このことを歓迎し私も微力ですが支持協力していく所存です。

さて。年が明けて行われる知事選挙においては村岡知事の三選が確実な見通しでありますが、村岡県政三期目においても、当面はコロナ対応が最優先課題として続くものと思われます。本県では、コロナ対応は、主に感染拡大の防止、県民生活の安定、県内経済の下支えの三本柱で施策の推進が図られてきました。

私は、今回は、そのうち県内経済の下支えに関し、コロナで傷んだ経済の再生という観点から思うところを述べ、所見をお伺いしたいと思います。
ご案内のように、事業経営においてコロナの影響が深刻だったのは、観光宿泊関係、飲食関係、イベント関係でした。私は、今年の10月、11月はそれらの事業者や組合等を訪ね、実情をお聞きし、これまでの国・県・市町の支援策への評価や今後への要望を伺ってまいりました。そこで確認した、どの業種にも共通していることの一つは、雇用調整助成金の特例措置が、雇用維持や事業継続の上においては、大きな役割を果たしていることでした。また、共通した懸念の声として聴いたのは、コロナ融資等で何とか当面をしのいでいる事業者の中で、返済が始まると行き詰まる事業者が、今後数多く出てくるのではないかということでした。

岸田政権が打ち出しているコロナ対応の経済政策を見ますと、目玉の一つは、令和2年度の持続化給付金の再現ともいうべき「事業復活支援金」です。この支援金は、コロナの影響が大きい中堅・中小・小規模事業者等に地域、業種を限定せず、来年3月までの事業継続の見通しが立てられるよう事業規模に応じた給付金を支給するものです。雇用調整助成金の特例措置や政府系金融機関による実質無利子・無担保融資及び危機対応融資は来年の3月末で終了する見通しです。新型コロナ特別貸付は、見直しを行った上で来年4月以降も継続する方針が示されています。

そこでお尋ねです。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の世界的感染拡大の兆しがみられる等、未だコロナ収束の見通しが不透明な状況が続く中において、コロナの影響を深刻に受けている本県の観光宿泊、飲食、イベント等の業種の事業者が、雇用を維持し、事業継続を図り、事業の発展を志向していくためには、当面の資金手当てや将来への投資に対して行き届いたきめ細かな支援が必要であります。こうした支援への県の取組は、国の施策に呼応しながら、あるいはそれを補完する形で実施していくことが求められますが、このことにつき、先ず県の施策の基本方針についてご所見をお伺いいたします。

→(知事答弁

 

 

 

令和3年11月定例県議会【2.信用保証料支援事業について】

コロナ対応と経済再生

2.信用保証料支援事業について

次に、新型コロナウイルス感染症対応資金信用保証料支援事業についてであります。これは令和2・3年度に実施された「新型コロナウイルス感染症対応資金」について、元金返済の据え置き期間を延長するなどの返済計画の見直し(条件変更)により追加で生じる信用保証料を支援する事業で、今年の9月県議会で補正予算措置されました。自由民主党山口県連及び公明党山口県本部が、8月下旬に共同で、新型コロナの長期化という緊急事態に鑑み、県内中小企業の経営安定支援のためにということで「中小企業金融支援の拡充」を県に要請されていますが、そこで求められている具体的な対策の一つがこの追加の信用保証料支援事業でした。

常々、不可抗力的な経営環境の変化のために、事業者が制度融資の返済条件の変更を余儀なくされた場合は、そのことに伴って生じる追加の信用保証料は減免することを検討すべきと訴えてきた者として、此度の自民党・公明党の県への要請、そしてその要請に応えられた村岡知事の決断を高く評価するものであります。

ついては、以下この信用保証料支援事業に関し3点お伺いいたします。
第1点は、事業の延長についてであります。この支援事業の申請期間は、9月県議会閉会直後の9月27日から来年の1月20日までとなっております。

一方、支援の対象は今年の4月から12月末までの間に「新型コロナウイルス感染症対応資金」につき返済の条件変更を実行したものとされています。

私が訪ねた事業者に、この支援事業を紹介しますと、ほとんどの方が、「これはありがたい。」と評価し、感謝しておられました。そこで、きっと多くの申請があるであろうと予想していたのですが、11月末日現在での申請件数は55件で、補助対象となる追加の保証料は305万円程でした。この事業のために9月議会で予算措置されたのは5億5800万円余でありますので、想定より大幅に少ない申請となっております。このことをどう理解したらいいのか、金融機関関係の方に聞きましたら、コロナ対応資金は、借り換えが認められたりして返済の据え置き期間が続いている等のこともあり、現在のところ返済条件の変更ニーズは高くないのかもしれない。ただ、来年以降は、据え置き期間などが終わって返済が始まるところが増えてくると予想されるので、この支援事業が延長されれば助かる事業者は多いのではないかとのことでした。

そこでお尋ねです。「新型コロナウイルス感染症対応資金信用保証料支援事業」は、延長して来年以降も支援の継続を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

第2点は、補助の方式についてであります。私は、この追加の信用保証料支援事業によって資金繰りが助かる事業者は、今後数多く出てくるであろうと思っています。ただ、その補助の方式は、追加の信用保証料を、融資利用の事業者が一旦支払うこととなっているため、申請すれば約2か月後に補助金が交付されるとは云え、当面の資金繰りに苦慮して返済条件の変更を行った事業者からすれば、コロナ対応資金の融資の際と同様に、追加の信用保証料を支払わなくて済む補助の方式が望ましいものと思われます。ついては、このことにつきご所見をお伺いいたします。

第3点は、国への創設要請に関しであります。村岡知事は、先の9月県議会において公明党先城議員の信用保証料補助に関する質問に答えて、「信用保証料補助等のコロナ禍における中小企業の資金繰り支援は、全国的な課題と考えられることから、全国知事会等を通じて、国に早急な創設を強く求めていく」旨、述べられました。私は、地方の現場からよりよい国の政策形成に資していくことは県政の重要な役割と考えていまして、そういう意味からもこの知事発言には、拍手を送り期待しているところであります。

ついては、信用保証料補助事業に関する国の制度創設の見通しにつき、ご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

 

 

 

令和3年11月定例県議会【3.観光・宿泊関係について】

コロナ対応と経済再生

3.観光・宿泊関係について

ア.コロナ対応融資の融資期間について

次に、観光宿泊関係について、3点お伺いいたします。

第1点は、融資期間についてであります。
コロナ対応の融資を含めて県の制度融資の融資期間は、融資額が巨額になる設備投資等への融資の場合を除いて原則5年か10年であります。コロナ対応融資の場合は、融資期間は10年で据え置き期間が最長5年間認められています。ただ、据え置き期間も含めて融資期間内に返済を完了しなければなりませんので、融資を受けようとする事業者は、据え置き期間を長くとるか、月々年々の返済額が少なくて済むよう据え置き期間を短くするかで悩むことになります。

観光宿泊業においては、コロナが収束しても「新しい日常」においてお客がコロナ以前に戻ることはなく、7割から8割まで回復すればいいとの見通しであります。そういうことを勘案すれば、コロナ対応融資に関しては、据え置き期間相当の融資期間の延長を認める柔軟な対応があれば、助かる事業者は多いのではないかと思われます。ついては、このことにつきご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

イ.観光宿泊業の将来への投資について

第2点は、将来への投資についてであります。私が、観光宿泊関係の事業者の方を訪ねて聞いた声の中で感心したことがあります。それは、コロナ禍を前向きに受け止めて、少子高齢化、脱炭素化という大きな時代の流れや、観光客が団体から個人へと替わってきていることを見据え、将来に向けて何時かはやらなければならない事業形態の転換を、コロナのおかげである意味強制的に迫られてではあるが、手厚い補助・支援金をいただきながら行うことになった。「コロナ禍は、悪いことばかりではない。」との見解です。

この事業者の方は、宿泊施設の高付加価値化等支援事業による750万円の支援を受けて宿泊施設を、個人客により多く対応できる施設への転換に取り組んでおられるようでした。この支援事業は、今年の6月補正で5億3000万円予算措置されたものですが、10月8日には申請額が予算額に達し、打ち切りになったようです。

そこでお尋ねです。本県の観光宿泊業の将来への投資、即ち将来に向けて時代相応に事業形態を転換し、新たなマーケットの開拓に取り組んでいくための投資に対して、質量ともに支援を強化していくべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

 ウ.現場の声を踏まえた支援策の形成について

第3点は、現場の声を踏まえた支援策の形成についてです。私が訪ねた観光関連の事業者の方々は、本県の観光に対するコロナ対応の支援を、手厚くよくやっていただいていると評価しておられました。ただ、折角の支援策が観光現場の実情に適合しない場合が、ままあるのが残念とのことでした。例えば、旅々やまぐち県民割は、県内宿泊、日帰り旅行で最大5000円の割引と2000円のクーポンが付く観光需要喚起の支援策ですが、この事業が7月にスタートした時点では、楽天を通しての予約ができませんでした。また、8月コロナの感染拡大で事業中止になった際、猶予期間がなく即刻県民割のサービス中止となったため対応に苦慮したホテル・旅館があったようです。これらのことは関係者から是正の指摘要望があり、県もこれに対応して見直しを行い、10月から再開されたこの県民割においては楽天も使えるし、事業中止の場合猶予期間が7日間ほど確保されました。このことに関しては、現在の観光の動向、実情がわかっておれば、最初からそうした仕組みでスタートできたのではないかとの声がありました。

それから、支援事業に対してホテル・旅館関係者が望んでいることは、出来るだけわかり易く簡単な仕組みにし、事務負担の増は極力少なくて済むようにしてほしいということでした。コロナ対応で、ただでさえフロント業務が過重になっているからです。

そこでお尋ねです。観光への支援策は、観光現場の実情や声を踏まえてその施策の形成を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

 

 

 

令和3年11月定例県議会【4.飲食業関係について】

コロナ対応と経済再生

4.飲食業関係について

山口市で料理店を営んでいるA氏は、次のようなことを言っておられました。「来春から借り入れの返済が始まる店が多い。ちゃんと返していけるのか心配だ。自分のところは、とにかく当面をしのぐために三度コロナ特別融資資金を借りた。税理士と返済計画を立てた時、お客が7割から8割まで戻るのに5年、元に戻るまでには7年はかかるだろうとの見通しになった。コロナ特別融資への金利補助は3年だが、それを2年ほど延ばしていただき、返済の見通しが立つよう融資への返済期間を延長していただければ、何とか乗り切れると思っているのだが。」と。

また、湯田温泉でこだわりの料理と多彩なドリンクメニューで人気の店を経営しているB氏が、言っておられました。「お客も、早く帰るクセが付いて、そういう生活は変わらない気がする。現在は5割ほどまで戻っているが、戻っても8割までと思って経営計画を立てている。夜だけの営業ではなく、昼のランチ営業にもシフトしようと思っているが、そのためにも改装等で費用がかかる。そういうことにも補助等の支援を考えてほしい。」と。

飲食業関係の方も、観光宿泊関係の事業者と同じような課題に直面し苦慮しながら頑張っておられる様子が窺えました。

さらに、売り上げ減が4割台で5割に満たなかったため持続化給付金の支給を受けることが出来ず、今年の8月、9月の売り上げ減は2割台で3割に満たなかったため事業継続の支援金給付の対象にもならなかった軽食喫茶店等の方々からの声があります。その一人Cさんは、「店にとっては、売り上げが4割減る。あるいは2割減ると云うのは、大きな打撃です。そういうところにも支援の手を差しのべてほしい。」と切実に訴えておられました。

そこでお尋ねです。A氏のように、資金ショートを起こさないよう事業継続に懸命の奮闘をしている飲食店への支援、B氏のように、ウイズコロナ、アフターコロナの時代に応じてお店の在り方を転換していこうとしていることへの支援、Cさんのように、これまでコロナ対応の補助金や給付金の対象とならず経営に苦慮しているところへの支援。飲食業関係への支援の施策としては、以上のような支援を求める声にしっかり応えていくことが必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

 

 

 

令和3年11月定例県議会【5.イベント関係について】

コロナ対応と経済再生

5.イベント関係について

ア.イベント準備費用について

イベント関係については、4点ほど事業者の声を紹介してお尋ねいたします。

第1点は、イベントの準備費用に関してです。イベント開催が、コロナで中止になった場合、準備に要した費用を見てもらえれば助かるとのことでした。当然のことと思いますが、県事業としてのイベント開催の場合、どういう対応になっているのか先ずお伺いいたします。

イ.緊急事態宣言の指定地域外での支援について

第2点は、緊急事態宣言に関してです。広島県や福岡県が緊急事態宣言地域に指定された場合、両県に挟まれている本県も経済活動やイベントの開催は、ほぼ同様に制限されることになる。緊急事態宣言地域に指定された県では、活動制限に対する支援としての補助金等があるが、同様に活動制限しているにもかかわらず本県の場合は、指定地域外であるためそうした措置がない。そのため、本県のイベント関連事業者は、資金繰りに一層苦労することになった。コロナ対応での活動制限に対しては、緊急事態宣言等の指定地域であるなしにかかわらず同様の措置が考慮されるべきではないかとの指摘がありました。もっともなことと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

ウ.公的イベント施設の使用料について

第3点は、市民会館やホールなどの公的イベント施設の使用料についてです。こうした施設で、通常1000人収容のところコロナ対応で受け入れ人数が半分の500人に制限されることなどがあります。こうした場合、チケット収入だけでイベントを行っている事業者は、収益が見込めずイベント開催が困難になりますので、例えば施設使用料を半分にするとか、物販販売があっても使用料を高くせず認めるとかの柔軟な対応を期待する声がありますが、こうしたことにつきご所見をお伺いいたします。

→ア.イ.ウ.(部長答弁

エ.需要喚起への要望について

第4点は、需要喚起の要望です。イベントに関しても需要を喚起し開催を促進する施策を推進してほしいとの要望がありますが、ご所見をお伺いいたします。

質問は以上ですが、最後にあるホテル経営者の言葉を紹介して今回の一般質問を締めくくりたいと思います。そのホテルは、社員は40人ほどですが、雇用調整助成金の活用とか色々やり繰りして一人も解雇はしていないとのことでした。ただ、社員に諦めの気持ちが出て体力よりも気力を失うのがこわいと言っておられました。そこで、社員には、「あせるな。くさるな。あきらめるな。」と言い聞かせているが、もう少し我慢すれば、明るさが見えるというのであれば頑張れる。その明るさが見えるようになるよう取組をお願いしたい。」と訴えておられました。こうした訴えに応える答弁を期待して今回の質問を終わります。

→(部長答弁

 

 

 

令和3年9月定例県議会【1.デジタル化の基本認識について】

デジタル改革の推進について

1.デジタル化の基本認識について

デジタル化を進める上において大事なことは、「デジタル化とは、どういうことなのか。」についての正しい認識です。そこで先ず、私なりのデジタル化についての理解を申し上げて、デジタル化の基本認識についてご所見をお伺いしたいと思います。

デジタル化は、私たちが生きているアナログの現実世界のモノやコトから文字、映像、音声等に至るまでのあらゆる事象を、0と1で数値化した情報に変換することであります。

その0と1に数値化されたデジタル情報は、コンピュータで処理が可能となります。コンピュータの情報処理機能の中枢である論理回路は、電気が流れているオンの状態を1,電気が流れていないオフの状態を0として設計された回路の集まりであるからです。尚、この論理回路のベースにあるのは、0と1の2進法で論理の数学化が図られたプール代数です。

情報のデジタル化とデジタル化された情報のコンピュータ処理が、今日デジタル化と言われているものの実質的内容ですが、文字・映像・音声等は勿論のこと世の中のあらゆる情報は、デジタル情報にすることによりコンピュータで一元的に処理できるようになります。デジタル化が、世の中のあらゆる面において、ある意味革命的な新たな可能性の広がりを実現することになるのは、このことによります。音声だけであったアナログ通信の電話が、デジタル化されて写真や動画、音楽等も送受信できるスマホに代わっていってるのは、そのことのわかり易い事例でして、こうしたデジタル化による新たな可能性の広がりは、世の中のあらゆる面をより良い方向に変革していく可能性の広がりともなるものです。

だだ、ここで留意しておかなければならないことは、デジタル化は、あくまでもツール、手段、方法であって目的ではないということです。従って、デジタル化を進める上においては、如何なる目的のためにどのようなデジタル化を行うのかが、明確且つ具体的に設定される必要があります。先ず、行いたいことの目的や方法について人による考慮や判断があって、その後にデジタル化の具体的な実施がある。当然と言えば当然のことですが、このことは、デジタル化それ自体を目的化しないために踏まえておくべき重要なポイントであります。

以上、私なりのデジタル化についての理解と認識を申し上げました。

そこでお尋ねです。本県は、デジタル推進局を設置して全県的なデジタル化を強力に進めようとしていますが、県のデジタル化についての基本認識はどういうものなのか、先ずお伺いいたします。

→(知事答弁

 

 

 

令和3年9月定例県議会【2.デジタル化と地域課題の解決について】

デジタル改革の推進について

2.デジタル化と地域課題の解決について

今年の3月に策定された「やまぐちデジタル改革基本方針」では、デジタル化による地域課題の解決が随所に強調されています。

先ず、「改革の意義」では、「デジタル化は、企業等の生産性向上や付加価値の創出を促進し、今後の経済成長を主導するとともに、地域や社会の抱える様々な課題の解決を図り、より便利で豊かな生活を実現する上で欠かすことのできない取組である。」と書かれています。そして、さらに「デジタル化は、地方においてこそ、より大きな進展を果たさなければならない。地方にとってデジタル化は、今までにない手法で地域課題を解決し、住民の暮らしや社会経済活動を向上させ、都市部との格差を解消するとともに、現在、首都圏の若い世代を中心に、地方移住への関心が高まっていることを追い風にして、地方への新たな人の流れを生み出し、拡大させる大きな可能性を有している。」と記されています。

また、「改革の基本姿勢」として示されている5項目の筆頭は、「地域課題の解決」でして、「これまで対応が困難であった様々な地域課題について、デジタル技術を活かした、今までとは異なる視点からの発想により、新たな解決方策を生み出すとともに、こうしたソリューションをより効果的な形で具体化し、速やかな社会実装を図る。」と説明されています。
もう一つ、「目指すべきデジタル社会のビジョン」には、「デジタル化がもたらす地域課題の解決」との文言があります。

こうした記述には、何かデジタル化が図られると、自ずと地域課題は解決されていくかの如きイメージがありますが、果たしてそうでしょうか。ハッキリしていることは、デジタル化により地域課題の解決を図るには、どういう地域課題を如何なるデジタル化により解決していくのかが、具体的に想定されなければならないということです。

そこでお尋ねです。「やまぐちデジタル改革基本方針」に掲げられている「目指すべきデジタル社会のビジョン」の「デジタル化がもたらす地域課題の解決」との記述は、どういうことを意味しているのか、先ずお伺いいたします。次に、本県においてデジタル化により解決を図りたい地域課題とは、どういうものなのか。また、その地域課題は、どのようなデジタル化により解決できると考えておられるのか、これまでに具体的な実施事例があれば、そのことも含め併せご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

 

 

 

令和3年9月定例県議会【3.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について】

デジタル改革の推進について

3.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について

デジタル化は、三通りに分類されます。第一は、デジタイゼーションでアナログ・物理データのデジタル化です。第二は、デジタライゼーションで個別の業務・プロセスのデジタル化です。第三は、DXデジタルトランスフォーメーションで全体的、包括的、構造的な業務・プロセスのデジタル化です。

ただ、この三通りのデジタル化は、その対象や範囲によりデジタイゼーションともなれば、デジタルトランスフォーメーションともなります。学校教育を例にとれば、県下の各学校において標準化された統合型校務支援システムを導入し、校務の効率化や高度化を総合的に行うことにより、デジタルトランスフォーメーションにつながることが考えられますが、県下の各学校が、それぞれ別個のソフトやシステムの校務支援システムを導入していれば、県全体では学校教育の校務は、デジタイゼーション、或いはデジタライゼーションは出来ているが、デジタルトランスフォーメーションは未だ実現できていないことになります。

今月1日にデジタル庁が設置されましたが、このことにより国が強力に進めようとしているデジタル化の主要な柱の一つは、国全体の行政事務のデジタルトランスフォーメーションでして、そのために行政事務の標準化・共通化またオンライン化等を、全国規模で実現する取り組みを進めています。
こうした取り組みは、ことに昨年来の新型コロナウイルスへの対応で、我が国の行政事務のデジタル化の遅れが明らかになったことによるものと見られていますが、遅れているのは国においても、都道府県や市町においても、全体的且つ構造的な行政事務システムのデジタル化であるデジタルトランスフォーメーションでして、デジタイゼーション、デジタライゼーションということでのデジタル化は、個別的に結構その実現が図られていると見て間違いないように思われます。

そこでお尋ねです。本県においてもデジタル化の本丸は、デジタルトランスフォーメーションの実現であって、それは国のデジタル化の取組と整合し、而も県内市町のデジタル化を包括する形で推進していくことが求められます。ついては、そうした意味でのデジタル化、即ち本県におけるデジタルトランスフォーメーションをどう推進して行くのか、ご所見をお伺いいたします。また、そのことの実現に向けた本格的な第一歩として、課題の設定及び工程表の作成に取り組むべきと考えますが、併せご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

 

 

 

令和3年9月定例県議会【4.デジタル人材の育成と確保について】

デジタル改革の推進について

4.デジタル人材の育成と確保について

「やまぐちデジタル改革基本方針」の「施策の3つの柱」その③に「デジタル・エリアやまぐち」の形成として「光ファイバー網や5G等による高度なブロードバンド環境を確保するとともに、デジタル人材の育成を加速し、県内での活躍を促進する」と記載されています。

今日のデジタル化が本格的に進んだのは、アメリカのアップル社が、2007年に発売した「iphone」が契機となり進展したと言われています。つまり、本格的なデジタル化の歴史は、まだ13年ほどしか経過していないと言えます。しかし、この短い間ではありますが、その進展は目を見張るものがあります。今日では、私たちの暮らしやビジネスの中で不可欠な存在となっています。まさにデジタル化がとんでもなく進んだのです。それも高度に。そして正に、デジタル改革というよりデジタル革命というのが相応しいトータル且つ構造的なデジタル化による変革、即ちDX(デジタルトランフォーメーション)が、世の中のあらゆる面で進められようとしています。

そこで問題となってくるのは、そのDX(デジタルトランスフォーメーション)を担う人材の育成と確保であります。

経済産業省が2016年6月に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」によれば、IT需要が今後拡大する一方で、我が国の労働人口(特に若手人口)は減少が見込まれ、IT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、需要が供給を上回り、2030年には、最大で約79万人に拡大する可能性があると試算されています。

経済産業省は、その後また新たに「IT人材需給に関する調査」を、みずほ情報総研株式会社に委託し、その調査報告書が、それから3年後の2019年3月に公表されています。この調査は、ITの需要の伸びだけではなく、IT人材の生産性の向上も考慮に含めていること、IT人材を従来のIT需要に対応する「従来型IT人材」と、AIやビッグデータ、IoTなどの先端IT技術を担う「先端IT人材」に分けて分析を行っていること等から、より精度の高い調査となっていると考えられます。

その調査報告書が、明らかにしている重要な指摘があります。それは、2030年に、予想されるIT人材の不足は、実質的には先端IT人材の不足になると考えられるとの指摘です。この報告書は、IT需要の伸びが3~9%の高位でIT人材の生産性向上が0.7%、従来型IT人材から先端IT人材へのスキル転換が1%固定の場合、2030年のIT人材不足は全体で78万7千人で、そのうち73万7千人は先端IT人材との試算結果を示しています。

ITには、アナログ技術もありますのでIT=デジタルではありませんが、AIやビッグデータ、IoTなどの先端IT技術は、DXデジタルトランスフォーメーションを担う技術そのものでありますので、先端IT人材の不足は、そのままデジタル人材の不足と見做していいと考えられます。

そうした我が国の将来のデジタル人材不足を、どう解消していくのかは大きな問題でありますが、このことは基本的には国の教育政策に係る問題であると思われます。では、県としてはデジタル人材の育成と確保には、どう取り組むべきなのか。以下、そのことに関し3点お伺いいたします。

ア.産学官の連携について
第一点は、産学官の連携についてであります。本県におけるデジタル人材の育成と確保に係る課題を共有し、産学官が連携してその課題解決に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

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イ.県庁におけるデジタル人材の育成と確保について
第二点は、県庁におけるデジタル人材の育成と確保についてです。デジタルに関する外部人材の活用は当然あっていいと思いますが、県庁職員に自前の優れたデジタル人材がいることも大事です。そのため、県庁職員を大学や研究機関、企業等に一定期間派遣してデジタルに関して本格的に学び研修することを可能にするとか、県職員の採用に当たり、デジタル化に関し一定の専門的知識とスキルを持った人材の採用枠を設ける等のことが考えられますが、そういうことも含めて、県庁におけるデジタル人材の育成と確保にどう取り組まれるのか、ご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

ウ.デジタル化を担う企業の育成支援について
第三は、デジタル化を担う企業の育成支援についてです。このことに関しては、二つの面からの県の取組が求められます。一つは、融資や補助による育成支援です。もう一つは、デジタル化の事業、即ち仕事の発注による育成支援です。デジタル化の事業について全国大手や県外有力企業への発注を全く排除するわけではありませんが、県としては、県内企業の育成を図る観点からの発注を基本とすべきと考えます。ことに、新たなデジタル技術を事業化したようなベンチャー企業に関して、そういう姿勢が求められます。

いずれにせよ、本県においてデジタル関連の企業が育ち集積していくことが、デジタル人材が豊かになり確保されることにつながります。ついては、以上申し上げましたことも含め、デジタル化を担う企業の育成支援にどう取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁