問田地区のようなケースの場合も、特別、県としての対応は考えないと。市と県と役割分担に基づいて対応していくという答弁であったように思います。
この問田地区の内水による浸水被害は、県河川である問田川の水位が高いために生じている面があるわけでございますので、これの対策には、県も市と責任を共有しているんだということを、まず申し上げておきたいと思います。
さて、問田地区の内水被害対策として、ゲートやポンプを整備することは、地元住民からの要望に対する回答において、県河川課が示した解決策であります。
一方、地元関係者が期待している対策は、高井堰の撤去と問田川のしゅんせつであります。高井堰は、問田川が仁保川と合流して少し下がった地点、県立山口中央高校の横にある井堰であります。もともと固定堰だったものが、昭和四十八年に改修されまして、川幅の半分が可動堰になっております。
この高井堰の設置目的は、平川方面の農業用水の確保で、許可工作物として県が設置を認めているもので、管理は水利権者にゆだねられております。
さきの地元住民からの要望においても、この高井堰を撤去して、必要な農業用水はポンプアップで確保することが提案されておりますが、この提案への県河川課の回答は、高井堰を撤去しても水位が下がるのは二十センチ程度なので、抜本的な解決にならないというものでありました。
このことに関しまして、私見を申し上げますと、問田川の水位が二十センチ下がることになれば、問田地区の内水被害は相当程度軽減されるのではないかということであります。あわせて問田川のしゅんせつをやれば、ほぼ浸水被害対策としては、目的を達するのではないかと見ております。
ただここで問題になるのは、高井堰のことであります。川のしゅんせつは県の判断でできることでありますが、高井堰を撤去することには、水利権者の了解が要ります。また、高井堰の役割が農業用水の供給のためだけなのかということも、よく調べる必要があるでしょうし、高井堰の撤去と排水ポンプの設置との費用対効果の比較検討もすべきでありましょう。
そこで、私は、問田地区の浸水被害対策を具体的に決定するための協議会を県、市の担当者、地元関係者、水利権者、有識者等を構成メンバーとして設置すべきと考えます。
そして、県、市の担当者が想定している対策、地元関係者が期待している対策のいずれが、本当の浸水被害の解決策になるのか。また、費用対効果という面から、どちらが妥当なのか、関係者の理解が得られるのか等々のことをしっかり議論して、コンセンサスを得ることが、問田地区浸水被害対策実現に向けての第一歩になると考えます。
こうした協議会の設置に、県は市と連携して取り組むべきと考えますが、このことにつきましてお考えをお伺いいたしまして、二回目の質問といたします。
【回答】◎土木建築部長(山本則夫君)
問田地区の浸水被害対策のための協議会設置についてのお尋ねでございます。
先ほど申し上げましたとおり、問田川の浸水対策につきましては、県と市の役割分担のもと、それぞれの管理者が取り組んでいくべきものでありますことから、浸水対策については、引き続き市と協議は行ってまいりますけども、協議会の設置については考えてはおりません。
以上でございます。