◆附記(一般質問関係)
「高レベル放射性廃棄物は、100万年の監視を要する」
2009年2月、アメリカ政府は「高レベル放射性廃棄物は、百万年の監視を要する。」との見解を発表しました。
高レベル放射性廃棄物とは、原子力発電所から排出されるもので、主に使用済み核燃料のことをいいます。
この使用済み核燃料は、我が国では青森県の六ヶ所村再処理工場に搬入されることになっていまして、そこでは先ず溶かして液状にする処理がされます。
その後、それをガラス状に固めてキャニスターという容器に納めて30年から50年間冷却保存した後、地層処分ということで300メートル以上深い地中に埋める計画になっています。
問題なのは、このキャニスター1本の重量は500キログラムですが、猛烈に高い放射能を有していて、長期間それが残るということです。
放射能の大きな単位に、キュリーというのがありまして、1キュリーの放射能があれば、1平方キロメートルが立ち入り禁止になるほどですが、キャニスター1本だけで、当初1ヶ月は392万キュリーの放射能があります。
日本の面積は約38万平方キロメートルでありますので、その10倍強の面積が立ち入り禁止になるほどの放射能です。
それが1万年たっても600キュリーの放射線が残っており、100万年立っても同量のウラン鉱石の500倍の放射能が残っています。
アメリカ政府が、100万年の監視を要するとの見解を発表した背景には、こうした事実があります。
キャニスターに納められた放射性廃棄物は、現在六カ所村に1300本以上貯蔵されていますが、現行の計画通り我が国の原子力発電が続けられれば、平成33年までに、その数量はキャニスター4万本に達すると推計されています。
これらを地層処分するということは、後世に借金を残す以上に深刻な環境汚染の負の遺産を残すことになり、やってはならないことであります。
私が、6月県議会で、原発への依存を減らすという意味での脱原発に国のエネルギー政策は転換すべきであり、山口県は上関原発中止の立場を明確にすべきと表明したのも、原発には安全性の確保問題と併せて、以上申し上げました放射性廃棄物処理の問題があるからです。(合志栄一)
◆法と経済ジャーナルに掲載される◆
合志県議の6月定議会での一般質問「脱原発について」が、7月17日に、法と経済ジャーナルのトピックスに、山口県議の唱える「現実的脱原発」として掲載される。