(2)再生支援について
県の制度融資は銀行等の金融機関を通して行われますが、原則として信用保証協会の保証が必要です。具体的には、本県の制度融資資金は21ありますが、そのうち17資金はすべて信用保証協会の保証が必要ですが、残りの4資金は、必要に応じて保証付となっています。従って、その融資を受けた事業者は、大方が金融機関に返済する元利金に加えて信用保証料を支払うことになります。この保証料は、原則として融資を受ける時に全額一括して支払うことになっています
ところがその後、企業経営が苦しくなり、元利の返済を当初の計画通り行なうことが、困難になることがあります。そうした場合、元金を据え置いて利息のみ当面返済するなどの返済条件の変更を、金融機関に求めることになります。それが認められれば、その企業は、当座の資金ショートを免れて助かることになりますが、そうした条件変更は、返済期限の延長を伴うことから、新たな信用保証料が生じ、追加の支払いが求められることになります。
私は、こうした返済の条件変更に伴う新たな追加の信用保証料については、軽減ないし免除の措置が取られると、助かる中小企業が数多くあるのではないかと見ております。
私が知っているある建設業関連の会社の経営者は、自分の給料は8万円にしたと語っていました。団塊の世代で年金がもらえるようになったので、それと併せてどうにかやっている。好きだったゴルフや飲み会も、年間ほんの数回にした。職員の給与もぎりぎり抑えて、会社の利益は、出来るだけ借金の返済に当てるようにしているとのことでした。
その社長にとって、減免があればと思うのは、新たに生じた信用保証料の追加支払いのことでした。ここ3年間で、90万円程支払っているようで、出来ればその分を、職員の処遇改善や借金の返済に充てることができればとの思いが湧いてくるようです。
順調だった会社経営が苦しくなったのは、先ず公共事業が半減したことの影響がありました。それでも頑張って来たのですが、リーマンショックによる景気減速の中で、ついに返済の条件変更を余儀なくされ、信用保証料の追加支払いが求められることになった次第であります。
この経営者と同様の境遇にあって、同じ思いを持ちながら事業再生に向けて苦闘している中小企業の経営者は、県下にも数多くおられるのではないでしょうか。
そこでお尋ねです。事業再生に向けて頑張っている県下の中小企業への有効な経営支援策の一つとして、私は、個々の事業者の経営努力では避けられない不可抗力的な経営環境の変化のために返済の条件変更を余儀なくされた中小企業に対しては、そのことに伴って生じる信用保証料を軽減ないし免除出来るよう、県は必要な措置を講ずることを検討すべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
【回答】◎商工労働部長(阿野徹生君)
中小企業の経営支援についての二点のお尋ねにお答えします。
まず、再生支援についてです。
制度融資においては、中小企業が民間金融機関から十分な融資を受けることが困難な場合に、信用保証協会が債務保証することにより、その信用力や担保力を補完し、金融の円滑化を図っています。
さらに、融資を受けた中小企業に対しては、経営基盤の強化を図ることを目的として、信用保証料の軽減措置を講じているところです。
お示しのように、返済期限の延長などの条件変更により、追加の保証料負担が生じた場合においても、追加負担に対して、当初の条件と同様の軽減措置を講じていること、また、追加の保証料にさらなる軽減・免除措置を行った場合は、条件変更の有無によって保証料負担の公平性を損なうおそれがあることなどにより、当初の軽減措置をさらに上回る軽減については困難であると考えております。